日別アーカイブ: 2011/04/10 日曜日

シドニー・ルメット死去

「十二人の怒れる男」監督、ルメット氏死去
AP通信などによると、米映画監督のシドニー・ルメット氏が9日午前、リンパ腫のためニューヨーク市内の自宅で死去した。86歳だった。
 個人の良心を問う社会派サスペンスで知られる。代表作に、ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞した「十二人の怒れる男」(1957年)のほか、「オリエント急行殺人事件」(74年)、「評決」(82年)など。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110410-00000125-yom-ent

「役者出身の監督」には名監督が多いとよく云われますが、「テレビ演出家出身の」で思い浮かぶのは何といってもこのシドニー・ルメット。
この方は、子役としてひととおりの修行・経験を積み、長じて劇団を率いオフ・ブロードウェイで活躍、さらにはCBSテレビに請われて演出助手となり、たちまち頭角を現して人気演出家になった人でした。
5年間で500本のドラマを手がけたといいますから、すさまじい仕事量です。しかも昔は生放送のドラマが多かった。
その中で培ったものをぶつけたのが映画監督デビュー作の知的なディスカッション・ドラマ『十二人の怒れる男』で、実際その表現はすこぶるテレビ的でした。明確なキャラの登場人物、クローズアップの多用、緻密な構成、鮮やかなラスト。しかも最小のセットでそれを作り上げた。
問題提起・視点・表現がトピカルであり、身近であり、なによりも今日的です。
ハリウッドの巨匠たちにはこうした斬新な作品は逆立ちしても作れません。ゆえにルメットは「ニューヨーク派」と呼ばれました。
ニューヨーク派には、ほかに写真誌『LOOK』の写真で名を上げたスタンリー・キューブリック、ルメットと同じくCBSのドラマ演出家だったジョン・フランケンハイマー、NBCテレビのディレクターだったアーサー・ペン、同じくNBC系ドラマ演出家出身のデルバート・マン等がいました。
彼らの活躍がのちにアメリカン・ニューシネマを生んだといっても過言ではないでしょう。

私のベスト3は、
1 十二人の怒れる男(1957年)
2 狼たちの午後(1975年)
3 ネットワーク(1976年)
です。