
浅草をあとにして“観光地”柴又まで足をのばした。
帝釈天から、出来たばかりの『寅さん記念館』へ向かう途中に『山本亭』がある。
写真はその玄関。

これも『山本亭』。
平板トタン葺き、押しぶち下見板張りの懐かしい日本家屋。

寺男の“ゲン公”が掃除をしていそうな柴又帝釈天門前。
奥は鐘楼。大晦日には除夜の鐘が鳴らされる。
くたくたになって我が町へ戻る。
冬の日は短い。5時前だというのにもうこの暗さだ。夜風が身に凍みる。
自分の星座と同じ名が記されているアンドンの脇をすり抜けて、築30年のぼろアパートにたどり着く。
ただいま……誰もいない。わびしい独り住まい。
永井荷風のように人知れず、ある朝、ひっそりと死んでいるのが発見される、てな具合か。
(おわり)
- 1997年の歳末風景(下) more register movement
- 1997年の歳末風景(中) more register movement
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