中公新書クラレ269 田 月仙(チョン・ウォルソン)著『禁じられた歌 朝鮮半島 音楽百年史』820円+税
2月10日発行の新刊書。
朝鮮半島の国家群は独自の文化を持ちながらも、古くは大陸の巨大国家、近くは大日本帝国に脅かされ、さらには朝鮮戦争、軍事独裁政権の圧政等々、寧日なき歴史が続いてきたせいか、なかなか世界に知られるということがなかったように思います。
それがようやくソウル五輪のころから改善されはじめ、今では食品、映画、歌、文学などさまざまな分野において、韓国の文化が広く認知され、受け容れられるまでになりました。
その朝鮮・韓国文化に関して興味のある事柄といえば、私は音楽、とくに流行歌ですね。
歌えと強制される歌、歌うなと禁止される歌、それでも権力の目を盗んでひそかに歌われる歌、どこがいいのかわからないのに大流行する歌、何百年も歌い継がれる歌、時代を象徴する歌、猥褻な歌、楽しくなる歌、勇気が出る歌、泣ける歌、そして自分が大好きな歌――
歌にもいろいろありますが、たかが歌されども歌、歌で世の中が変わるわけではないのに、一つの歌で生き方が決まることもあります。まったく歌というのは不思議なもんです。
韓国では戦後それまでの反動で、日本の歌、日本的な歌が禁じられてきました。これは戦前日本の敵性音楽禁止と同じ手法です。なぜ恨み骨髄の日帝軍国主義者のマネをするのか理解に苦しみますが、裏を返せば、容易に流行し日本への敵愾心を失わせるに十分のものであることを認めていたともいえるのではないでしょうか。
ノ・ムヒョン政権の親日派糾弾も、中国や朝鮮の王朝交代時に必ず起きる前権力の事績の全否定、外敵への怒りや憎しみを煽るあざとい人心掌握術・民心収攬策の側面が全くないと言えるのか、私ははなはだ疑問です。自分に落ち度はない、私たちは正しい、我々は偉大なる民族である、などといううぬぼれ意識があるうちは日本と五十歩百歩でしょうね。
近年の韓流ブームと、そのことを日本人が「韓国の文化侵略である」などと誰も言わないことを知って、韓国民は少し拍子抜けしてるかもしれません。
『禁じられた歌 朝鮮半島 音楽百年史』では、韓国で広く知られている日本の流行歌についても触れられています。
意外な曲がかつて「流行」してたんですね。私は初めて知りました。
筆者 田 月仙(チョン・ウォルソン)さんの公式サイト
soprano Chon Wolson
追加記事
作詩・作曲:遠藤 実、歌:三船和子の『他人船』(1965年)は、前年 韓国でヒットした李美子の『椿娘』に啓発された部分があったのではないか、という気がします。
동백아가씨 – 이미자
(2010年8月20日)
追加記事
夜の0時位にバス乗ろうとしたら終バス?回送?でお客さんゼロで、行先言ったら乗せてくれて、バス停じゃない一番近いところで下ろしてくれた。発音で日本人ってわかったみたいで、一番好きな曲聞かせるって言って「ブルーライトヨコハマ」かけてくれた。韓国ってこんなところよ。 pic.twitter.com/VkBtq2JIKV
— がっちゃん∞韓国飯テロ (@g_magniica_mesi) 2018年8月20日
うおおおお。今知った。「ブルーライトヨコハマ」は、軍事政権下で日本文化の流入が厳に禁じられていた当時の韓国国内でも唯一流れた、日本の歌謡曲だったそうだ。なるほどな。
— 菅野完事務所 (@officeSugano) 2018年8月22日
(2018年8月23日)
