『花時の天気は変りやすい。午後から怪ぶまれていた空から、夕ぐれとともにぽつりと落ちて、四刻(よつどき)には音もなく一面に煙るお江戸の春雨であった。(中略)十郎兵衛、傘がない。「相合傘と行こう。」「よかろう。」(中略)ひとしく無骨者の両人、一本の蛇の目を両方から挾んで、片袖ずつ濡らして屋敷を出た。(中略)「降るな。」「うん。陽気のかわり目だからな。」』(林不忘)

病院の夢を見ることも多い。 亡父の2度に及ぶ長期入院や、映画の撮影でロケセットに使った相模原の大病院などの記憶・印象があるせいだろう。 でも自身の入院はたった一度きり(済生会中央病院)。 おれ自身が病院恐怖症であることは …