2020/06/20 シベリアの北部ベルホヤンスクで38・0℃の異常高温を記録

2020/06/21 21:23
森さやか | NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
ロシア・シベリアの北部に「世界の寒極」と呼ばれる町ベルホヤンスクがあります。これまでの最低気温記録は氷点下67・8℃と、冬にはとてつもない寒さが襲います。
この町の気温が20日(土)、38・0℃まで上昇しました。これはこの時期の最高気温の平均を16℃も上回ります。
この記録が世界気象機関に正式に認められることになれば、シベリアの観測史上最高気温どころか、北極圏における史上最高気温となる可能性があります。
まだ夏が始まったばかりのこの時期に、とんでもない事態が起きてしまっているのです。
(中略)

連日の熱波とその理由
シベリアでは先週から熱波が続いています。
下の折れ線グラフは、ベルホヤンスクの日最高気温を表したものです。12日(金)から右肩上がりで気温が上昇し、17日(水)からは連日30℃を超える暑さとなっています。
(中略)

熱波の原因
この熱波の原因は何なのでしょうか。
それはシベリア上空で偏西風が大きく北に蛇行し、南からの暖気が断続的に流れ込んでいるためです。
天気図上の等圧線の形は、まるで膨らんだお餅やオメガ(Ω)の字に似ているため、「オメガブロック」も呼ばれます。
オメガブロックは同じ場所に長期間居座るため、熱波が1週間以上にわたって続くことがあります。実際ベルホヤンスクでは24日(水)頃にかけても、30℃半ばの高温が予想されています。

解ける永久凍土
シベリアなどの高緯度の地域では、地球全体の平均に比べ倍以上の速さで気温上昇が進行しています。ロシアはその国土の3分の2が永久凍土の上にありますが、その土台が解け始めているようです。
今月上旬には、ノリリスクという町の火力発電所のオイルタンクに亀裂が入り、2万トンもの軽油が流出しました。油で汚染された周辺の川は怪しげな赤色に染まり、環境保護団体は「北極圏史上最大級の燃料流出事故」と指摘したほどでした。
その原因も、永久凍土が解け地盤が緩んだためと考えられています。この町では、永久凍土が解けた影響で6割の建物が変形したともいわれているのです。

病原菌の復活
永久凍土の融解で、長い間眠っていた病原菌が目覚めるという、そんな恐ろしい事実も報告されています。
2016年シベリアで2,000頭ものトナカイが死亡、そのあと人にも感染して、少年1人が亡くなるというニュースがありました。
どうもその理由は、70年前に炭疽菌に感染した動物の埋葬地の氷が解けたことにあるようです。そこに付着していた病原菌がトナカイに移り、その後トナカイを食べた人にも移ったと見られています。
ロシアと言えば、北極海航路が開いたり、天然資源開発が進んだりと、「温暖化の勝ち組」と言われてきました。しかし同時にこうした恐ろしい問題も生まれています。

<シベリアで38・0℃観測、北極圏史上もっとも高温か(森さやか)- Yahoo!ニュース より一部引用>
https://news.yahoo.co.jp/byline/morisayaka/20200621-00184390/

2020/06/22 15:00
北極圏に位置するシベリアのベルホヤンスクの気温が、観測史上初となる100・4°F(38℃)を記録しました。この記録は精査された後、「北極圏での史上最高気温」として認定される見込みです。
(中略)
シベリアの北東部に位置するベルホヤンスクは、世界の寒極として知られる極寒の地。厳寒期の気温は氷点下50℃以下に達するほどで、「氷点下67・8℃」というアメリカ気象庁が認定した北半球の最低気温記録も有しています。
2020年6月20日、そんなベルホヤンスクで北極圏の史上最高気温を上回る「100・4°F(38℃)」という気温が観測されました。ベルホヤンスクにおける6月下旬の平均最高気温は20℃程度であり、2020年は記録的な猛暑となっています。
この記録的な猛暑は、「ブロッキング」と呼ばれる気象現象が原因。ブロッキングは、偏西風などの大規模な風によって、低気圧ないし高気圧が移動せずに長期に渡って停滞するという現象です。ブロッキングによって気圧が停滞すると同じ天候が続くため、長期化した場合には長雨・豪雨・干ばつ・熱波・寒波などの異常気象に発展します。
ベルホヤンスク上空では6月12日から高気圧のブロッキングが続いており、このブロッキングが南側からの温風を取り込む一方、北側からの冷たい空気を遮断していました。そのため、ベルホヤンスクは6月12日から6月20日にかけて、気温が上昇し続けました。

<シベリアの気温が38℃を突破、北極圏での最高気温を更新 – GIGAZINE より一部引用>
https://gigazine.net/news/20200622-arctic-temperature-record-siberia/

 

 

ついに始まったツンドラ崩壊。
永久凍土が融解し、炭素とメタンが大気中へ一気に放出される。
そのため地球温暖化が加速され、平均気温のグラフは垂直へ限りなく近づいてゆく。
さらにはその下のメタンハイドレートのメタンも封印が解かれることは間違いない。
地上・海中のあらゆる生物に絶滅の危機が迫ることになる。
もう止める手立ても、止まる可能性もないのだから、われわれ人類は従容として死を俟つのみである。

 

追加記事

2020/07/19 12:40
ことしに入って、ロシアのシベリアで続いていた異常な高温は、地球温暖化の影響がなければ、ほぼ起こり得ない現象だったとする報告書をイギリスやロシアなどの研究機関のチームがまとめました。
ロシアのシベリアでは、ことし1月から6月までの平均気温が1981年から2010年までの同じ時期の平均気温よりも5度以上高かったほか、北極圏で過去最高とみられる38度を観測しました。
これについて、イギリスやロシアなどの研究機関の研究者のチームが、温暖化の影響を調べる観測モデルを使ってシミュレーションしたところ、この半年間の異常な高温は地球温暖化の影響がなければ、8万年に1回未満の確率でしか起こらない現象だったことがわかったとしています。
また、このまま気候変動が続けば、この地域の平均気温は2050年までに、現在と比べてさらに0・5度から5度ほど高くなるとしています。
研究チームは、こうした高温がシベリアで起きることで永久凍土が溶けて、地中のメタンが放出されたり森林火災の引き金となり、さらに多くの温室効果ガスが排出されたりするおそれがあるとして早急な対策を訴えています。
研究チームのフリーデリケ・オットー准教授は「気候変動が進めば、これまで想定もしなかった場所でも熱波への備えが必要になるだろう」とコメントしています。

専門家「おととし7月の日本の猛暑も」
今回の報告書について、国立環境研究所・地球環境研究センターの江守正多副センター長は「おととし7月の日本の猛暑も、今回と同様の研究手法によって人類の活動による気候変動がなければほぼ起きえなかったことがわかっている。気候変動が進めば、さらに記録的な猛暑となるおそれがある。気候変動を止める必要性を実感する機会とすべきだ」と話しています。

<シベリアの異常な高温“温暖化の影響なければ起こらなかった” – NHKニュース より引用>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200719/k10012522991000.html

(2020年7月19日)

追加記事

2021/03/07 06:58
ロシア北極圏のヤマル半島やシベリアなどでは、2014年から巨大な穴が相次いで確認され、周囲にあるパイプラインなどへの影響が懸念されています。
これらの巨大な穴は、永久凍土に閉じ込められていたガスが何らかの理由で爆発してできるのではないかとみられていますが、詳しいことは分かっていません。
こうした中、ロシア科学アカデミーなどの研究チームは、去年7月に発見された17個目の穴について、はじめてドローンを使って内部を撮影し、分析した結果を先月発表しました。
それによりますと、この穴は直径25メートル、深さおよそ30メートルの大きさで、穴の底の部分には横に広がる大きな空洞があることが明らかになりました。
穴の内部の構造がここまで詳しく分かったのは、初めてだということです。
研究チームを率いるロシア科学アカデミー石油ガス研究所のボゴヤブレンスキー副所長はNHKのインタビューに応じ、「温暖化の影響で永久凍土が溶けて強度を失っている」と述べ、今後、穴ができるメカニズムを解明したいとしています。

<ロシア北極圏の永久凍土に巨大な穴 ドローンで調査すると… | NHKニュース より一部引用>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210307/k10012901761000.html

(2021年3月7日)

追加記事

2021/12/15 10:59
WMO=世界気象機関は、去年ロシアで観測された気温38度を北極圏の観測史上最高の気温と正式に認定しました。
(中略)
ロシア極東サハ共和国のベルホヤンスクでは去年6月、38度の気温が観測され、WMO=世界気象機関は14日、これが北極圏の観測史上最高気温だったと正式に認定しました。
WMOは、ことし7月には南極半島にあるアルゼンチンのエスペランサ基地で去年2月に観測された18・3度について、南極大陸の観測史上、最高気温だと正式に認定しています。
北極圏での記録についてターラス事務局長は「気候変動に警鐘を鳴らす一連の観測記録の1つだ」などと懸念を示しました。
WMOは、ことし8月にイタリア南部シチリア島で観測された48・8度も、ヨーロッパでの観測史上最高の気温だとみて検証を続けているとしています。

ロシア極東の「気温38度」国際機関が“北極圏史上最高”と認定 | NHKニュース
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211215/k10013388761000.html

(2021年12月15日)