「消く水を湛えた川べりに、高い堤防があって、真直に続いている。堤防の両側には、葦や篠笹が茂っていて、堤防上の道路にまで蔽いかぶさり、昼間も薄暗く、夜は不気味である。その堤防の上を、まだ夜明け前の頃、私は母と二人で歩いていた。」(豊島与志雄) 標題に引用したのは豊島与志雄(とよしま よしお)の『幻覚記』。 「消く」が誤植(青く、清く等)や誤変換でなければ、「よく」と読ませるのではないかと思う。 【善い/良い/好い/能い/克い/美い】 の連用形「よく」だが、おれ … “「消く水を湛えた川べりに、高い堤防があって、真直に続いている。堤防の両側には、葦や篠笹が茂っていて、堤防上の道路にまで蔽いかぶさり、昼間も薄暗く、夜は不気味である。その堤防の上を、まだ夜明け前の頃、私は母と二人で歩いていた。」(豊島与志雄)” の続きを読む