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「消却」処分って何?

幻の三島作品「憂國」40年ぶり上映

 作家の三島由紀夫が原作・主演・監督を務めた映画「憂國」が、40年ぶりにスクリーンによみがえる。DVD化を記念した試写会が都内で行われ、プロデューサーの藤井浩明氏らが明らかにした。4月8日から5月12日までキネカ大森で開催される「三島由紀夫映画祭2006」で、ニュープリント版が上映される。
(中略)
1966年に公開されヒットしたが、生々しい切腹シーンがあるため、70年の三島の死後に夫人がフィルムをすべて消却処分。“幻の映画”と言われてきたが、夫人の死後にネガが発見された。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060318-00000021-spn-ent

三島の愛国思想には、切腹を正当化・美化する裏づけ、という側面があったように思います。
三島版の『椿説弓張月』なんか聖セバスチャンばりに褌一丁で竹釘打ち込まれたり、大仰に切腹したり。
でもその必然性が今ひとつピンとこない。
切腹フェチ、切腹マニア、だったんじゃないかしらん、、、?

三島切腹事件の1年前に作られた
『人斬り』(1969年)勝プロ・フジテレビ=大映
では三島が“人斬り”田中新兵衛という役で出演、私は見てませんが切腹シーンがあるとか。

三島の事件をパロディとして描いた映画もありました。
『巨根伝説 美しき謎』(1983年)幻児プロダクション=ENKプロモーション
大杉漣が三谷麻起夫なる人物を演じております。

『性輪廻(セグラマグラ) 死にたい女』(1971年)若松プロ=六邦映画
は三島切腹事件に「批判的応答を試みた」作品なのだそうです。これも未見です。

『憂國』は二・二六事件のいわば虚構のサブストーリーなわけですが、二・二六事件そのものを描いた映画はいくつかあります。
『叛乱』(1954年)東京プロ=新東宝(原作:立野信之『叛乱』)
『戒厳令』(1973年)現代映画社=ATG
などは、ズバリ二・二六事件の顛末記ですね。
ほかにも、たとえば
『風雪二十年』(1951年)東映(原作:尾崎士郎『天皇機関説』)
では満州事変に続く大事件として、
『激動の昭和史 軍閥』(1970年)東宝(原作:新名丈夫『政治』)
では、軍部の政治進出のきっかけとして二・二六事件が描かれておりますし、
『日本暗殺秘録』(1969年)大映京都(原作:鈴木正)
では、幕末から続く暗殺の暗き奔流のクライマックスに事件が据えられています。
そうそう、『けんかえれじい』(1966年)には「北一輝」らしき人物がほんのちょっと出てくるのは有名ですね。

◇    ◇    ◇

 東京・銀座のデパートでは、布を素材とした独自の創作活動で知られる人形作家・与勇輝さんの個展が開かれています。与さんが今回、取り組んだテーマは、映画監督「小津安二郎作品」です。小津監督本人や映画「東京物語」の出演者の作品は、顔の表情や当時の服装が細かく表現されています。個展は今月27日まで、松屋銀座で開催されています。
http://www.tv-asahi.co.jp/ann/news/web/index7.html?now=20060318222642

この方の人形はいかにも人形らしいのに、まるで命をもった存在のように見えます。
ヨーロッパの童話に出てくる妖精のような、メルヘンタッチのシリーズ、
古き良き日本の郷愁を湛えた、子供たちとその家族
現代的な表現の一群、
いろいろなテーマ、チャンネルを持っている作家です。

河口湖ミューズ館 −与 勇輝 館−

◇    ◇    ◇

からくり人形芝居、78年ぶり「討ち入り」

 一昔前までは人形は各町内で所有し、忠臣蔵の各場面を分担して上演していましたが、担い手不足などから、しばらくの間、休まざるを得ませんでした。  しかし、このほど、桐生市内の天満宮が改修を終えたことを記念して、地域の人々が試行錯誤しながら、見事に復活させたのでした。
 今回の演目は「赤穂浪士討ち入り」の吉良邸打ち破りと堀部安兵衛と清水一角との戦いの場面で、討ち入りは実に78年ぶりの上演です。
http://news.tbs.co.jp/headline/tbs_headline3248533.html

動画を見ました。あまり複雑な「からくり」ではないようですが、斬りつけると相手の元結がほどけてざんばら髪になったりと、なかなかのもの。
糸を引く操演者の手にも力が入ってましたよ。

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