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昭和30年代パノラマ大画報

060207_01.jpg宝島社刊『昭和30年代パノラマ大画報 今よみがえる、ニッポンの青春!』1200円+税。
2006年2月15日発行。
監修:コモエスタ八重樫
制作:株式会社レッカ社
増補・改訂・編集:ケンコミュニケーション

映画「三丁目の夕日」は団塊世代にかなり好評だったようですね。今後同じように彼らのフトコロへ照準を定めた商品がいろいろ出てくるでしょうが、じつは昭和30年代とか1960年代へのレトロスペクティヴは1970年代後半に最初のブームが起こってるんですよ。ワタクシなぞもその頃いろいろ企画を売り込んだもんです。
これからその第2波がきっと来るでしょう。前回と違うのは個人に焦点を当てるという傾向が強いこと。各人の個人的体験を透してあの時代を語るというのがポイントですね。このことはいづれ皆さんにも感じ取っていただけることと思いますよ。それはさておき――

この「昭和30年代パノラマ大画報」はカバーの返しに紹介されているとおり、1991年8月にJICC出版(現・宝島社)より初版発行された『1960年大百科 東京タワーからビートルズまで』(下左)を増補・改訂したものです。

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その後、これに年表を加えたものが、1997年12月、宝島社から 別冊宝島354『さよなら20世紀シリーズ [1960年大百科] 』(上右)として出されておりますから、
実際にはこれで3度目のリイシューということになります。
まぁ決定版ということでしょう。

060207_04.jpg宝島社における、このテの企画の原点は、やはり1975年6月1日発行「宝島」6月号(JICC出版局刊。第3巻6号=発売は1975年5月1日)の特集「ぼくたちの世代 SWINGIN' 60'S CATALOG」でしょう。北山耕平の「LOVE ME DO!」と、結城 杏の「OLD FRIENDS」の2つの文章に、写真・図表などを加え膨らませているため、時に本文が途中で何ページも飛んだりする、ちょっとクセのある編集なんですが、そこがマァなんとも宝島らしいんですね。
表紙には「植草甚一編集」と謳われてますがこの頃の実際の編集人は高平哲郎です。

060207_05.jpg同じ年の12月、やはり重要な一書が発売されております。
主婦の友社刊、小野耕世編 21世紀ブックス「CUSTOM版 60年代のカタログ」がそれです。
「思いでの、テレビ・まんが・CM・映画・歌謡曲・ポップス・ファッション……大行進!」との惹句そのままに、各ジャンルが鳥瞰的に網羅され、その方面に詳しいスペシャリストによって、思い入れたっぷりの註釈が加えられる、というスタイルでした。
いかにもアメコミ研究者である小野の編集らしく、日本で人気だったアメリカのテレビドラマが冒頭に来ています。もちろんトップは「スーパーマン」です。

さて、すっかり懐古ブームが定着した80年代、その余波消えやらぬ90年代には、同工のレトロ本が次から次へと出版されました。そのほとんどはビジュアル(グラフィック)中心で、テーマごとに細分化される傾向がありました。
たとえば「自民党抗争史」とか「ザ・全共闘」みたいなところまでいきましたから。
映画、テレビ、ラジオ、芸能、音楽、書籍、雑誌、イベント、雑貨、食品、楽器、車、バイク、鉄道、旅客機、船舶、兵器、風景写真、建築、スポーツ、ファッション、遊び、玩具、ブーム、事件、犯罪、風俗、言葉、思想、政治、経済、そしてコンピューターとインターネット、、、、
ネタ的には、ほぼ出尽くしたんじゃないでしょうか。
あ、一個足りないものがありました。反省(!)です。
        団塊世代が一番ニガ手なのがこれでした(笑)

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