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1972年

1960年代文化は1972年ころ終わりました。60年代文化といっても当然、西暦の限(きり)のいい年で始まり、あるいは終わったわけではありません。
1972年、老人は恍惚とし、31年前の兵隊は恥ずかしながらと帰還し、今太閤が列島改造を始め、車はガソリンで走るということが再確認され、もっと「わんぱくでもいい」と心配されるようになった子供たちはひたすらヘンシーンを続け、左翼過激派は死の総括で自滅し、パンダは笹をかじるのだとほとんどの国民が知ったあの年、
一部の敏感な者のみが、60年代の完全なる終焉を感じとったのでした。
日米ともに1968年の秋ごろからその「終わり」は始まっておりましたが、日本で特に顕著に顕れたのは万博後からでした。
そして「終わり」の終わりが72年、というわけです。

万博後から72年までの、燃え尽き感、敗北感、終末「感」、昇天感(!)を表現している歌謡曲のなかで、タイトルに西暦の入っているものをチョイスしてみました。

シングル「70年の子守唄」浜田光夫シングル「'72年明けて数ヶ月」ほりいけ すえひろシングル「1972年のある日」千賀かほる

(左)『70年の子守唄』(浜田光夫)東芝音楽工業
(中)『'72年明けて数ヶ月』(ほりいけ すえひろ)キングレコード
(右)『1972年のある日』(千賀かほる)日本コロムビア

どれもつまらない歌です。翌1973年、アメリカでは映画『アメリカン・グラフィティ』が撮影され公開されました。

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