« 2004年04月 | メイン | 2004年06月 »

2004年05月31日

ゾルゲの横顔

「無神経さが墓穴掘る」=ゾルゲ事件で新証言−ロシア

「スパイには無用の無神経さや気まぐれが、ゾルゲの致命傷だった」―。旧ソ連の大物スパイ、リヒャルト・ゾルゲが開戦前の日本で情報戦を展開し、摘発されたゾルゲ事件で、ソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の元ゾルゲ担当官が初めて証言し、東京でのゾルゲの奔放な行動を、モスクワが当時、苦々しく見ていたことを明らかにした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040531-00000078-jij-int

スパイを行う者の心理というのはどういうものなんでしょうか? 信念の人でしょうか、倒錯者でしょうか。それともスリルを味わいたいだけなんでしょうか。
ハイテク時代の今日では、スパイのスタイルもずいぶん変わったんでしょうね。

2004年05月29日

元メンバー

警視庁成城署は29日、同居の女性に暴行を加え死亡させたとして傷害致死の疑いで、フォークグループ「ザ・ナターシャ・セブン」の元メンバー(54)を逮捕した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040529-00000171-kyodo-soci

栄光、その後の身の処し方。
またかという感じ。54歳じゃこれでもう終わりですか?

¶postscript―*

「ザ・ナターシャ・セブン」元メンバーに懲役5年

 口論のうえ同居女性を暴行死させたとして、傷害致死罪に問われたフォークグループ「ザ・ナターシャ・セブン」元メンバー、城田じゅんじ(本名城田純二)被告(54)の判決公判が2日、東京地裁で開かれ、中谷雄二郎裁判長は「(犯行は)危険かつ凶暴」として、懲役5年(求刑懲役8年)を言い渡した。
 中谷裁判長は「口論の原因は三角関係や二重生活を続けた優柔不断な性格にある。救命の可能性があったのに被害者を放置し、結果も重大」と指摘した。城田被告は起訴事実を認めていた。
 判決によると、城田被告は今年5月、東京都世田谷区内のマンションで女性(41)の頭や顔を数回殴り、死亡させた。
 城田被告は米国で音楽活動をしていたが、平成13年から日本滞在中はマネジャーを務める女性のマンションに同居。しかし、米国に住む妻子をめぐり、口論が多かったという。
 城田被告は昭和46年、フォーク歌手の高石ともやさんらとグループを結成。米国でもギタリストとして活動していた。
http://www.zakzak.co.jp/gei/2004_12/g2004120209.html

殺人罪ではなく傷害致死罪ということで、5年なのでしょう。
(2004年12月3日)

2004年05月27日

ソ連とソレントの区別がつかなかった!?

直径35センチ以下、厚さは中央で3ミリ、縁部分で1センチから2センチでなくてはならない――。
 イタリア政府はこのほど、官報で「ナポリピザ」の細かい定義を発表、同定義を法制化したうえで、この定義を守る店だけに「真のナポリピザを売る店」の証明書を発行する方針を表明した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040527-00000505-yom-int

1964〜66年にかけて日本で「イタリア」がブームとなり、カンツォーネやイタリア映画が流行しました。同時期のイギリスよりもその影響はすこしだけ強かったように思います。ピッツァはさすがに一般的ではありませんでしたが、スパゲティ・ナポリタンにパルメザンチーズをかけるのが通だ、という認識(?)はありました。今から考えるとその素朴さが笑えますね。タバスコをピッツァやパスタにかけるようになったのはずっと後のことです。

毛沢東はモータウンを知っていたか?

040527_01.jpgいつものようにイカすモダンジャズの流れる、山下書店渋谷南口店にて、
『レコードコレクターズ』6月号 特集「60年代のモータウン」 600円
を買いました。
困ったときのモータウン、ビーチボーイズ。ということでそこそこ売れるでしょう。

2004年05月26日

ゴジラの世界

今朝のテレビ朝日『快適!ズバリ』では、あおい輝彦が『二人の世界』を歌ってました。作曲は木下恵介の実弟=木下忠司。松竹〜木下恵介アワーの名コンビです。どちらかというと荘重あるいは悲壮な、またはちょっとビンボーくさいメロディーが多いという印象の木下作品群の中でも、もっともポップで爽やかな作品といえましょう。
同名の曲で石原裕次郎のヒット曲がありますが、そちらは鶴岡雅義の作曲です。

日本テレビ『さきどり!Navi』ではゴジラ特集。英語字幕をつけたオリジナル版ゴジラの上映が好評を博しているという内容。

2004年05月25日

新地になって/新地メンタル・ジャーニー

sv-853レコファン渋谷BEAM店にて、シングル盤 小桜姉妹『お菊ちゃん』400円を買いました。見本盤のせいかリリース年・月の表記がありませんが、おそらく昭和41〜42年ころのものと思われます。
B面は「東京新地ブルース」という題名。
新地とは新開地のことで、とりわけそこにできた遊郭・特飲街を指す場合が多いようです。
北新地、曽根崎新地、飛田新地、祇園新地、江戸深川の新地、などが有名ですね。
ところで、「東京新地ブルース」には具体的な地名が出てきます。
蒲田、大森、西小山、根岸、千束、向島、中野、大塚、十二社。
新開地ということではちょっと当てはまらない地域ばかりです。では小遊郭や花町があったかというと向島はいかにもですが、あとはどうなんでしょう。旧日本軍の施設があった付近には戦前、女郎屋があったといいますが、この歌の時点で○○○風呂が集まるような場所だったかどうかは、私には判りません。
あるいは元の意味を喪失して、ただ単に繁華街ということでしょうか。それにしても当てはまらない気がします。

とりあえず、
『東京の歌ベストコレクション100』のための資料
https://pointex.biz/eiji/tokyo/tokyo01.htm
に追加しておくことにしました。

本日オンエアのTX『おいしい情報の楽園 幻の昭和懐かしグルメ』。
昭和をキーワードに懐かしの人気メニューを出す店を特集しております。
BGMが昭和30〜40年代の曲。懐かしゅうございました。

2004年05月23日

デンキブランサワー

040523_01.jpgデンキブランをボトルで発売している合同酒精が、新商品『デンキブランサワー』を発売。
味は・・・ほのかにデンキブランです。

2004年05月21日

廉価盤に手を出すな

夕刻、秋葉原へ。ディスカウント・バラエティ・ショップ『グッドマン』の本店で、廉価盤CD3枚(計3087円)を買いました。行きずりの買い物です。ほんの出来心なんですホントーです。
この手の廉価盤は、いきなり音飛びがあったりするものですが、今回のはダイジョブのようです。
2枚のオムニバスはいちおう1970年前後のヒット曲が中心になってます・・・あー、よく見るとぜんぜん違う時代のも入ってますねぇ。
ビングの選曲のほうは、なかなかセンスいいんじゃないでしょうか。

040521_01.jpg『ヒット・ブレンダー 2』
 1.雨にぬれても
   B.J.トーマス
 2.渚の誓い(ソー・マッチ・イン・ラヴ) ※レコードより音質悪し。
   ザ・タイムス
 3.イフ
   ブレッド
 4.イッツ・トゥー・レイト
   キャロル・キング
 5.やさしく歌って
   ロバータ・フラック
 6.カリフォルニアの青い空
   アルバート・ハモンド
 7.ローズ・ガーデン
   リン・アンダーソン
 8.輝く星座
   ザ・フィフス・ディメンション
 9.故郷へ帰りたい
   ジョン・デンバー
10.タッチ・ミー・イン・ザ・モーニング
   ダイアナ・ロス
11.青春の光と影
   ジュディー・コリンズ
12.見つめ合う恋
   ハーマンズ・ハーミッツ
13.ウー・ベイピー・ベイピー
   スモーキー・ロピンソン&ザ・ミラクルズ
14.アイル・ピー・ゼア
   ザ・ジャクソン5
15.マーシー・マーシー・ミー ※これ今、TOYOTAラウムのCMで使われてますね。
   マーヴィン・ゲイ
16.ラヴ・ミー・トゥナイト
   トム・ジョーンズ
17.イン・ザ・サマータイム
   マンゴ・ジェリー
18.サイレンス・イズ・ゴールデン ※再録バージョン。スペクターサウンド風。
   ザ・トレメローズ
19.スーパーバード
   ニール・セダカ
20.ヴィーナス
   ショッキング・ブルー
21.アンフォーゲッタブル
   ナット・キング・コール


040521_02.jpg『ヒット・ブレンダー 3』
 1.魔法
   ルー・クリスティ
 2.霧の中の二人 ※再録、、、だろう、たぶん。
   マッシュマッカーン
 3.シーズン
   アース&ファイアー
 4.トレイン ※コーラスが引っ込んじゃってます。リマスタリング無しのCD化の、これは弊害ですね。
   1910フルーツガム・力ンパニー
 5.恋のかけひき
   ハミルトン、ジョー・フランク&レイノルズ
 6.恋に恋して
   エジソン・ライトハウス
 7.恋は二人のハーモニー
   グラス・ルーツ
 8.木枯らしの少女
   ビヨルン&ベニー
 9.悲しき初恋
   パートリッジ・ファミリー
10.チェリッシュ ※この人が歌うには無理がある曲。55点。
   デヴィッド・キャシディ
11.小さな恋のメロディ
   ピー・ジース
12.愛するハーモニー
   ニュー・シーカーズ
13.ラヴ
   ザ・レターメン
14.イエス・イッツ・ミー
   エルトン・ジョン
15.明日を生きよう
   ラズペリーズ
16.京都の恋
   ベンチャーズ
17.シェリーに口づけ
   ミッシェル・ポルナレフ
18.マイ・スウィート・ロード
   ジョージ・ハリスン


040521_03.jpg『ビング・クロスビー』
 1.星にスウィング
 2.ドント・フェンス・ミー・イン
 3.ユー・アー・マイ・サンシャイン
 4.ハート・オブ・テキサス
 5.トゥーラ・ルーラ・ルー(アイルランドの子守歌)
 6.ロング・ロング・タイム
 7.サウス・アメリカ・テイク・イット・アウェイ
 8.日曜日も月曜日もいつでも
 9.モロッコヘの道
10.プリーズ
11.ピストル・パッキン・ママ
12.アイル・ピー・シーイング・ユー
13.マクナマラズ・バンド
14.アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド
15.ウィッペンブーフ・ソング
16.アクセンチュエイト・ザ・ボシティブ ※エラおばさんも歌ってます。『ブリンクス』のエンドタイトルでかかったのはこれでしたっけ?
17.君は月光
18.サン・フェルナンド渓谷
19.ラップ・ユア・トラブルズ・イン・ドリームス
20.先生のりんご
21.俺は老いぼれカウボーイ ※ソニー・ロリンズやケニー・ドーハムの演奏でも有名。
22.ペニーズ・フロム・ヘブン(黄金の雨)
23.ウォーキング・ザ・フロアー・オーバー・ユー
24.ホワイト・クリスマス
25.ブルー・オブ・ザ・ナイト

ところで、街を歩きながら鼻歌で『東京の灯よいつまでも』を歌っていたところ、この曲の雰囲気が『道頓堀行進曲』にそっくりだということにハタと気がつきました。メロディもテンポも違いますが、なんかこう曲調が似かよってます。あるいは作る時ヒントにしたのかもしれませんね。

さらに夜、セイフー四谷三丁目店の地下一階で買い物をしていたところ、サビのメロディーが『桃色吐息』の歌いだしにそっくりな新しい曲が店内BGMでかかりました。歌っているのは子供っぽい声をした女性で、誰かは知りませんが、きっとまた「2ちゃんねる」あたりで騒がれるような気がします。

2004年05月16日

他人の顔

他人の顔を憶えないのは不誠実な証拠だと、昔なにかで読んだことがあります。
実は私の苦手なことのひとつに、他人の名前と顔を憶えることがあります。

今日、夏に履く安物のズボンでも買うベェと思い立ち、小雨降る中、渋谷「ユニクロ」スペイン坂店へ歩いていきました。途中、東急東横店の北側で、突然「おう久しぶりだなぁ」とオジサンから声をかけられました。
「は?・・・・ あ、どうも」
ところが困ったことに、どこの誰なのか、まったく思い出せないのです。思い当たる節もありません。
「いやー、競馬で取っちゃってねー」とポケットから万札の束を取り出して見せびらかします。
私は誰だったか必死に思い出すのですが、どーしても分かりません。
「あのー・・・すごいですね。並木橋の場外売り場ですか?」
「あんたは競馬やらないの?」
「いや・・・わたしは宝くじ程度で」
「ダメだよ、たまにはパーッといかなきゃァ! わはははは。んじゃな」
その人物は、すいっと、行ってしまいました。
私は気を取られている間にスリにあったんではないかとバックパックを調べましたが異常ありませんでした。

それにしてもコントみたいな、こういうシチュエーションってほんとにあるんですね。

2004年05月14日

恋のバカンス

ゆうべの「うたばん」でW(ダブル・ユー)の「恋のバカンス」を初めて見聞しました。二人の覚悟のほどが分かりました。歌・アレンジとも予想以上の出来でした。
ワタクシ、、、ファンになりましたァ〜 (*^o^*)

そのせいでしょうか、朝がた変な夢を見ました。
フランス人形のコスチューム、それもやたらにおおきなスカートの男二人が、ステージで清志郎ばりの“ロケンロー”を歌っているのです。「♪女を蹴り上げーろ!」などという乱暴な歌詞が出てきます。二人の他に下手(しもて)側に一人、皮のベストとズボンを着たスキンヘッドの男が、カズーをくわえ、手には金属の筒に木の柄を付つけたマラカス風な楽器を持って、ウソっぽく「伴奏」をしてました。
後から考えると、ギターやドラムの音はどこから聞こえていたのか、生バンドじゃなくてオケだったのかとか、いろいろ疑問も出てきます。
そのステージを見た後、私は起伏のある自然公園(木造の大きな建築物がいくつもありました)の中で、団体客の行列の中をすりぬけながら、さまよい歩くのです。
どうやらそろいの黒スーツを来た男たちの団体の中に、会いたくない奴が一人いるようなのです。

2004年05月10日

ジャズ・レコード黄金時代

040510_01.jpgあおい書店四谷店で
スイングジャーナル2004年5月臨時増刊号『ジャズ・レコード黄金時代』1990円
を買いました。
同誌に掲載されたレコードレビュー(1958〜1970年)の集成です。当時における評価ということになりますが、モダンジャズ黄金時代を追体験するということからすると、これ以上のテキストは他にはないでしょう。
ちなみに表紙の人物は植草甚一氏です。

2004年05月09日

「イエス玉川は荒川区に住んでいる」へぇー!

伊達市内の皆遵寺副住職狐野(この)利文さん(34)が仏の教えをフォークソングに込めて歌う活動を続けている。「KONO」の芸名で、道内の仏教系大学や学校などを訪ね、「法話」と銘打ったコンサートを開催。活動開始から10年で、持ち歌は100曲を超えた。今年6月には初のCDアルバムを発売する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20040508&j=0025&k=200405075072

 歌う尼さんなら「ドミニク」(1963年秋)のヒットで知られるザ・シンギング・ナンことスール・スーリール(Soeur Sourire=シスター・スマイルの意)、出家名シスター・リック(=ルー)・ガブリエル、俗名ジャニン・デッカーズ嬢が世界的に有名ですね。
デビー・レイノルズ(映画化で主演)や、日本ではペギー葉山らがカバーしたことからもそのポップ度がわかります。ルー嬢はその後還俗し歌手活動を続けましたが行き詰まり、1983年3月、自ら命を絶っております。合掌、いえアーメン。
 日本でも音楽活動をする坊さんたちが過去にもおりましたが、お経や教え、信仰、またその周辺の事どもを歌にするのは、何もその筋の人ばかりではありません。古くはエノケン法界坊の「ナムアミダブツ」(「ルイーズ(LOUISE)」の替え歌。「ルイーズ」はモーリス・シュバリエの持ち歌で、ビング・クロスビー盤でもヒットした)、塩まさる「九段の母」、藤島桓夫(たけお)「月の法善寺横丁」、和田弘とマヒナ・スターズ「お百度こいさん」、渥美清「チンガラホケキョーの唄」、友川かずき「南無妙法蓮華経」、ライトハウス「南無妙法蓮華経」、三浦久「私は風の声を聞いた」あたりはわりと知られております。
 そもそも浪花節は宗教芸能が原点ですし、アホダラ経を織り込んだ書生節やコミックソングもいろいろあります。
 あーそうそう、「帰ってきたヨッパライ」のラストにはお経が出てきますね。あれはデタラメなお経でしょうか?

GATHERS NO MOSS(三浦久ホームページ)
http://www.hi-ho.ne.jp/gotta/

 キリスト教関係はさすがに多いですね。

 ポール・アンカ「アダムとイブ」
 ジーン・マクダニエルス「100ポンドの夢」
 ジョーニー・バーネット「ゴッド・カントリー・アンド・マイ・ベイビー」
 バリー・ダーヴェル「アダムとリンゴ」
 ウディ・ガスリー「イエス・キリスト」
 ジェファーソン・エアプレイン「キリストの息子」
 ニルソン「のっぽのキリスト」
 クイーン「ジーザス」
 キャット・スティーヴンス「ジーザス」(アルバム「仏陀とチョコレート・ボックス」に収録)
 ツトム・ヤマシタ「レッド・ブッダ」
 ヘレン・レディ「私はイエスがわからない」(ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』より)

1963年の映画『野のユリ』で使われたゴスペルソング「エーメン」はジ・インプレッションズで大ヒットしました。

宗教法人日本ナザレン教団諫早キリスト教会/「映画の中の讃美歌」
http://www.geocities.jp/fukkatu21/sub2.htm

 歌謡曲では60年代末に集中している観があります。当時の「燃え尽き」感を反映しているのでしょう。

 青山ミチ「叱らないで」1968年
 泉アキ「愛を下さいマリア様」1969年
 オックス「神にそむいて」1969年
 弘田三枝子「私が死んだら」1969年
 藤巻潤「25時の女」1969年
 星まさる「眠り給えイエス」(ザ・モップスのメンバー)1969年
 大田美喜「キリスト・神様・仏様」1971年
 ジェフ「修道院の乙女」

 あと、教会を扱った長崎のご当地ソング、結婚式の象徴としての「チャペル」、
あるいは「十字架」「ロザリオ」が出てくる歌、
たとえば――

 中村晃子「砂の十字架」
 布施明「甘い十字架」
 ジャッキー吉川とブルー・コメッツ「愛の十字架」
 フィンガー5「銀の十字架」
 奥村チヨ「別離の讃美歌」

みたいなのも、関連した楽曲に加えたいところです。

 宗教なんて…という人にはこちらはどうでしょうか。

 ルー・クリスティ「魔法」
 ラヴィン・スプーンフル「魔法を信じるかい」
 ユーライア・ヒープ 「魔法使い」
 スティービー・ワンダー「迷信」
 アメージング・フレンドリー・アップル「マジシャン」
 チューリップ「魔法の黄色い靴」

2004年05月06日

004 若いってすばらしい

101_logo_a.gif

シングル「若いってすばらしい」槇みちる 作詞:安井かずみ、作曲・編曲:宮川泰(ひろし)、歌:槇みちる、発売:1966(昭和41)年3月、ビクター。
 青春歌謡にありがちな、押しつけがましいところや浪花節的なウェットさを微塵も感じさせない、アッケラカンとした詞とメロディ。この明るさは当時としてはちょっと珍しいのではないでしょうか?
 アレンジはデキシー風ですが歌い出しの音使いはイングランド民謡の雰囲気(スローで音をたどってみてください)。なにやらケニー・ボールあたりが演りそうな感じです。『五番街のマリーへ』もそうですが、ご一新以来、唱歌として歌ってきたせいか、日本人はこのテの出だしにヨワいのです。
 この歌より前の10年。すなわち昭和30年代の、日本のプログラム・ピクチャーを見ていきますと「若いっていいわね」とか「いやぁ、若さってのは素晴らしいもんだな」なんてセリフがよく出てきます。古い価値観やしきたりにとらわれない若者たちを、灰色の青春を過ごした戦中派の中年世代がまぶしく感じて、思わずこんな言葉が口をついて出た、といったところでしょうか。東京五輪を挟んで若さへの憧憬が高波のように盛り上がった感がありました。(谷啓の『天下の若者』はズバリ1964年春の放送開始でした。)
シングル「若いってすばらしい」スクールメイツ そしてこの歌の後の10年で、若者は消費文化の主役になってゆくのです。その意味で予祝的青春賛歌であり、また詞の内容からすると、これから世の中で暴れますわヨという宣言だったともいえましょう。
 ビクターの槇みちる盤(上)が1966年、キングのスクール・メイツ盤(右)が1967年。どちらも甲乙つけがたい味があります。この歌をきっかけに私は槇みちるのシングルを何枚か買っていますが、『片想い』以外はこれといった曲がないというのが正直な感想です。
LP「MARISOL」 この歌は当時の、〃日本で人気の外人歌手による自社ヒット逆カバー路線〃に乗せられ、キング(セブンシーズ)ではスペインのマリソル(左)がスペイン語で、ビクター(RCA)ではペギー・マーチ(右下)が完璧な日本語で、カバーしていました。
 また作曲者・宮川泰自身も、宮川泰とニュー・サウンズ名義でアルバム『帰りたくないの(宮川泰作品集)』(東芝音工)に、いわゆる〃歌のない歌謡曲〃として収録しています。
シングル「若いってすばらしい」ペギー・マーチ さて、槇みちるはその後、スタジオ・シンガーとして大活躍し、1970〜80年代にかけて、多くの名作CMソングを残しました。
 トーソー・カーテンレール(川口真作曲)、バスピカ(大野雄二作曲)、オメガ・フィーリング(小六禮次郎作曲)、日本航空・企業編(すぎやまこういち作曲)等々、その数は枚挙に暇がありません。
 1967(昭和42)年暮に公開された東宝映画『日本一の男の中の男』では、平尾昌晃がスクールメイツとおぼしき「メイツガール」なる女の子たちと『若いってすばらしい』を歌うシーンがあります。そのメイツガールの中になんと、久美かおり、大室英美子(のちの白鳥英美子)、平山三紀がいたという話です。
 スクール・メイツに関しては、2002年秋、かつてのLP2枚にボーナストラックを加えたCD2枚が復刻されており、そこに詳細な情報が掲載されていますので、そちらもぜひご参照いただきたいと思います。
(2002年12月2日)

 ¶postscript―*
 ビクター時代の『シュガー・タウンは恋の町』は復刻盤LPで知ったのですが、ベストテイクとも云えるもので、コマソン時代に花開いた、あの透明感のある歌唱を感じさせます。
(2002年12月8日)

 ¶postscript―*
 NHK朝の連続テレビ小説『てるてる家族』の最終回(2004年3月27日)は、出演者全員による『若いってすばらしい』の大合唱で幕を閉じました。
(2004年3月27日)

 ¶postscript―*
 クラウンがリリースしたCD『由美かおる ゴールデン・ベスト』で、『緑の谷間に帰ろうよ』という歌を聴きました。1969年12月に発売された『ラスト・デート』というシングル盤のB面曲だそうです。
 これが『若いってすばらしい』と『受験生ブルース』をまぜこぜにして上から『バンジョーで唄えば』をまぶしたような、そんな感じなんですよね。
(2005年1月29日)

 ¶postscript―*
 2005年大晦日のテレビ東京『生放送!第38回年忘れにっぽんの歌』で槇みちるが登場、『若いってすばらしい』を歌いました。これは非常に珍しいことで、ファンとしては嬉しい限り。

051231_01.jpg
051231_02.jpg
051231_03.jpg

ちなみに緑川アコも出てて『カスバの女』をクールに歌ってました。
(2005年12月31日)

¶postscript―*

歌手のまきみちるが22日に、フランク・シナトラのレパートリーに挑んだアルバム「マキズ・バック・イン・タウン!」(M&I音楽出版)を出す。エリック宮城オールスター・ビッグバンドを従え、明るく力強い歌声を響かせている。
 「まずシナトラが歌った時の編曲を再現した。さらに彼のたっぷりとしたスイング感を意識した歌唱を心がけ、巨匠への敬意を表した。小粋に軽く歌っているようで、実は高度な歌唱力が必要。シナトラの歌の奥深さを実感しました」
(中略)
4月13日には東京・新橋のヤクルトホールで公演する。 http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/music/news/20060218et02.htm

2006年2月18日の読売記事。
ロイヤルティからすれば、かなり売れなければならないはず。
じゃ私も1枚買わせていただきましょう。
(2006年5月18日)

¶postscript―*
 2006年8月12日放送のMHK『第38回思い出のメロディー』は、出演者全員による『若いってすばらしい』で幕が開きました。
(2006年8月12日)

入りやすい店、引き抜きにくい釘

JR新宿駅西口のバラック風商店街「西口飲食店街」(通称・思い出横丁、やきとり横丁)に再開発計画が浮上している。幅約30メートル、長さ約80メートルのわずかな敷地に焼き鳥屋や飲み屋など計81店舗がひしめくこの一角を取り壊し、地上11階、地下2階の商業ビルを建設しようという計画だ。
http://www.asahi.com/national/update/ 0506/006.html

京都の高級料亭は一見(いちげん)さんお断り。実質、会員制クラブと同じですね。
それとは対蹠的なこうした店も、座席数が少ないという部分で「なじみ客」でないと行きにくいということはあります。
個人的に一番入りやすいのは、学生やサラリーマン相手の居酒屋チェーンですね。不特定多数の気分のままでいられるというのは、私にとってはひじょうに気持がいい。
特別扱いされるというのはニガ手です。
ボクってそういう男です。

2004年05月05日

Mayor of the Sunset Strip

予備知識のない状態で『Mayor of the Sunset Strip』の予告編を見ました。
http://www.apple.com/trailers/independent/mayorofthesunsetstrip.html
(中央のQuickTimeマークがある部分をクリックすると始まります)
ロスの有名DJ(ラジオの!)Rodney "on-the-'Roq" Bingenheimerに関わるドキュメンタリーのようです。当然、60〜70年代ロックの音と映像が満載。
彼がTV番組『モンキーズ』のレギュラー出演者だったとは知りませんでした。
公式サイト
http://www.firstlookmedia.com/films/mayorofthesunsetstrip/
には、さらに詳しいデータが掲載されています。

ちなみに
Apple - Movie Trailers
http://www.apple.com/trailers/
では新作映画の予告編(トレーラー)が無料で見られます。
(QuickTimeのインストールが必要です。無料版をダウンロードすればOKです)

2004年05月04日

二木の菓子

 落語家林家いっ平(33)が父親の故林家三平さんがやっていた「二木の菓子」のCMを引き継ぐことになり30日、東京・アメ横の同店で撮影をした。三平さんの「ニキニキ…二木の菓子」は昭和30年代前半、テレビ界を席けんしたCMで、いっ平は「今朝はおやじの位はいに手を合わせて『後を継がせていただきます』と拝んできました。天にも昇る気持ちです」と気合が入る。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000035-nks-ent

二木ゴルフは兄、二木の菓子は弟。お家芸ですね。

2004年05月01日

メトロメディア日本盤ジャケの紙はどうしていつも分厚いのだろう

昨日、学芸大学商店街の中古レコード屋『サテライト』でシングル・レコード14枚とCD1枚を買いました。以下その一部を紹介します。

ll-2408-md ビートルズやベイシティローラーズの“グルーピー・ソング”は有名ですが、これはどうでしょう。
「イージー・カム・イージー・ゴー」のヒットで知られる1970年の人気テレビタレント=ボビー・シャーマン。
彼が所属するレーベル「メトロメディア」がその人気にあやかって出したのがこの『ボビーに首ったけ』です。まぁなんですか手前味噌にもほどがありますね。
ジャケットには「アナタのしゃしんをはってみよう」なんて書いてあります。
それくらいアメリカでは人気のアイドルだったんですが、日本ではぜんぜんでした。
ちなみに「イージー・カム・イージー・ゴー」は、かのママ・キャスが曲の良さを台無しにするアレンジでカバーしております。
sn-273 菊池章子のベスト・カップリング『星の流れに/岸壁の母』です。
ただしこれは再録のステレオ版で、1965年11月のリリースとなっております。
人工着色いわゆる“人着”の顔写真、「岸壁の母」の文字の版ズレが、いい味を出しておりますね。

re-626 藤田まこと『浪花人情 ラムネの玉やんの唄』。サンプル盤です。セリフのある歌で、舞台で聞くときに、どこで拍手をしたらいいか、きっかけが非常に分かりやすい、そんなタイプの楽曲です。
B面の『大阪だより』の歌詞には「十三 京橋 新世界」と具体的な地名が出てきます。


sas-707

 舟木一夫『敦盛哀歌/銭形平次』。1966年5月発売です。『銭形平次』は当初はB面扱いだったんですね。
テンポのよい曲調が、主人公・銭形平次のスピード感・身軽さ・スマートさをよく表してると思います。

二十四条知ってるかい

憲法をフォーク曲で紹介 CD付きの本を出版

 シンガー・ソングライターきたがわてつさん(50)が、フォーク調の曲に乗せて、憲法の硬い言葉を伸び伸びと歌ったCD付きの本「日本国憲法前文と9条の歌」(あけび書房、1470円)を出版した。
 きたがわさんは22年前に前文の歌を発表。今年、新たに9条の歌をつくり、前文とセットにした。
「最近、憲法についての議論が増えているが、多くの人は(中身を)よく知らない。憲法をもっと知って、前向きな議論をしてほしい」というのが制作の動機。
 全国で憲法を歌い続け、今年は既に40カ所を回った。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040501-00000025-kyodo-soci

歌としての出来はどうなんでしょうか? 聞いてみたいですね。
法律をテーマにした歌、あるいはその周辺に位置する歌には、

  憲法音頭(チョンホイおんど)/市丸
  二十四条知ってるかい/守屋浩
  刑法第212条/瑞紗(みずさ)マリヱ
  恋愛は自由です/美空ひばり
  言論の自由/RCサクセション

などがあります。
いづれ『わたしを作った101曲』でご紹介するつもりです。
憲法をアートロックで表現した羅生門のアルバム『日本国憲法《平和 自由 愛》』がワーナーからリリースされたのは1971年の9月だったそうですが未聴です。メンバーに近田春夫がいたとか。聞きたいですねぇ。

cf. 鐵鋼新報 May 05, 2004 強い者が生き残る生存競争の活舞台

そうそう法律漫談のミスター梅介を忘れちゃいけませんね。シングル『酔いどれブギウギ』では何法の第何条に違反してるかという例のネタが出てきます。
また法律ソングとはちょっと違いますが、フランク・ザッパの歌に選挙人登録を勧める「Register to Vote」というナンバーがあるそうです。これも私はまだ聞いてません。

法律ではなく、宗教的戒律ということでいえば、
The Teen Commandments」(ポール・アンカ、ジョニー・ナッシュ、ジョージ・ハミルトン四世)
これは「モーゼの十誡」のTenにTeenをかけた、今でもよく使われる言い回しで、いわゆる「勿れ集(Don'ts)」。
Thou Shall Not Steal」(ディック&ディーディー)(キティ・ウェルズ)(ウェリング・ソウルズ)
汝盗むなかれ。君のハートを盗んじゃうゾ、ッテナ具合です。
ディック&ディーディーは男女の掛け合いではなく、男声・女声の二重唱という、本格的なデュエットを聞かせてくれます。

※以下、「Thou Shall Not Steal」を含むCDの参考リンク

 


◇    ◇    ◇

¶postscript―*
1990年、学生援護会の女性向け週刊就職情報誌『Salida(サリダ)』のテレビCMで、高橋幸宏氏と仙道敦子さんが鼻歌で「職業選択の自由、アハハン…」と歌ってたのを憶えておいででしょうか。それはもちろんCMのために作られたもので、『憲法第22条の歌』という立派なタイトルも付いておりました。
コピー担当は一倉 宏(いちくら・ひろし)氏。氏の代表作のひとつとなりました。
(2005年2月13日)

¶postscript―*

「憲法音頭」を再現 平和日本の 花の笠♪ 長野県民の集い

 古いすげ笠さらりとすてて 平和日本の 花の笠♪――。幻の「憲法音頭」が再現されました。二十九日、長野で開かれた憲法九条守る県民の集いで、中野市九条の会の十七人が披露しました。
 「憲法音頭」は憲法公布直後の一九四六年十二月、芦田均元首相を会長として結成した憲法普及会が、新憲法をさまざまな形で国民に普及する一環としてつくったもの。作曲は中野市出身の中山晋平でした。憲法普及会の活動が終わり、何十年とたつうちにレコードも失われ幻になっていました。
 それが十年ほど前に、中野市の中山晋平記念館で遺族から寄贈された資料のなかからレコードが見つかったことから中野市九条の会が振り付けの図解を踊りの師匠に見てもらい復活させました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik4/2005-04-30/05_02_0.html

高校のとき、クラスに音頭(おんず)君という人がいたことを思い出しました。

「憲法音頭」については、TBSの「筑紫哲也NEWS23」が1993年4月29日、30日、5月3日の3回にわたって特集を組んで紹介しております。
それによりますと、

●A面 新憲法施行記念国民歌(憲法普及会制定)『憲法音頭(チョンホイおんど)』
制作:日本ビクター(PR97)
吹き込み日:1947(昭和22)年5月8日
作詞:サトウ・ハチロー
作曲:中山晋平
編曲:小沢直與志
歌:市丸、波岡惣一郎、日本ビクター合唱団
●B面 新憲法施行記念国民歌(憲法普及会制定)『われらの日本』
制作:日本ビクター

ということのようです。SP盤のレーベルが何故か日本コロムビアなのですが、おそらくこれは、当時、日本コロムビアがスタジオを日本ビクターに貸していたからではないか、と思われます。

そのレーベルに印刷されている曲名「憲法音頭」の「憲法」の文字に「チョンホイ」とルビが振ってあります。これはどういう意図からでしょうか? たとえば北京語では「憲法」はシエヌ・ファと読むそうです。ではチョンホイは朝鮮語でしょうか? その方面は不案内で私には皆目ワカリマセン。
歌詞のはやし言葉は「チョンホイ、チョンホイ、チョンホイナ」。
サトウ・ハチローがなぜこういう詞にしたのか。あるいは彼は新憲法の内容に不満でも懐いていたのでしょうか?
「NEWS23」ではそのあたりには触れられておりませんでした。
(2005年4月30日)