セントラルアパート 1962-86
河出書房新社:刊、君塚太:編著『原宿セントラルアパートを歩く』2000円+税。(写真右)
昭和30年代がトキワ荘なら40年代は原宿セントラルアパートでしょう(ホントか?)。
アパートといっても結構なマンションです。リキマンション、コープオリンピアなどと並んで、当時のあこがれのマンションでありました。業界人の事務所や雑誌の編集室が梁山泊の豪傑のように蝟集していたこのマンションも今はすでに無く、著者は入居していたクリエイターたちの述懐をペーパークラフトのように組み立てることによって、そこに横溢していた熱気を感じとり、そして伝えようと試みております。
ところで、この書にも出てきますが、セントラルアパートに事務所を開いていた写真家・浅井慎平が『原宿セントラルアパート物語』という自伝小説を書いておりまして、1997年、集英社から単行本で、2002年には幻冬舎文庫(写真左)で、出版されています。『原宿セントラルアパートを歩く』と併せて読んでみると、このマンションの実相に、より肉薄できるのではないかと思いますよ。