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黒い画集・証言

040330_01.jpg松本清張の『黒い画集・証言』(写真左=1959年12月光文社刊・初版)が東山紀之主演でドラマ化され、先日放映されました。
この原作は、東宝『黒い画集・あるサラリーマンの証言』、テレビ朝日『松本清張の証言・私の愛人』と2度、映像化されています。そのほかにあるかどうかは私は知りません。
小心者の男が保身のためについた小さなウソ。そのウソが崩れそうになり、さらにウソをつくはめに。
それが取り返しのつかない事態を引き起こし、やがて男は地位も家庭も失う……。
もうひとつの柱は刑事の執拗な“追及”。この刑事がいいんですよ。東宝作品では西村晃。主人公の小林桂樹をネチネチと追い詰めていき、「あの時も映画、今度も映画、あなたはいつも映画を見ておられる!」と皮肉たっぷりになぶるサディスティックな取調べシーン。
こういう責め場の快感は浄瑠璃や歌舞伎にも見られるものですね。
今回のドラマ化ではショーケン。現代の話としてはそれでいいのかもしれません。

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