62歳にして歌手デビューという夢を掴み取った元刑事、中谷満男AKB48、SKE48などの人気アイドルグループを生み出した秋元康がプロデュース・作詞する62歳の新人歌手「中谷満男(なかたにみつお)」が、10月21日(水)に「浪花刑事ブルース」(読み:なにわでかぶるーす)でデビューする。
“なかやん”こと中谷満男は、元大阪府警捜査一係という異例の経歴の持ち主で、数々の強盗・殺人等の凶悪犯罪を解決してきた元敏腕刑事。そんな“なかやん”の歌手デビューするきっかけとなったのは、「50歳以上の歌手オーディション」。
http://music.goo.ne.jp/contents/news/NML28092/index.html
捜査一課の元刑事が歌手デビューするというのは、聞いたことがない……
元警官・元婦警はけっこういるでしょうけどね。
テレビの『ミヤネ屋』で「勝新太郎の声に似てる」と言ってたので、さっそく試聴してみました。
たしかにそんな感じですが、聞いてて「あ、むかしこんなようなのあったなぁ」と。
で、さっそく調べたら出てきました。
(上左)シングル盤『犯人(ほし)を探せ』 c/w 『もう逢えない』凡 三原
ニッポンレコードなる会社のシングル盤。発売時期不明。290円の定価表示からすると1962年前後じゃないかと思われます。
A面は凡 三原自身の作詞・作曲で、凶悪犯を追う警察の捜査状況を歌っており、最初、吉展(よしのぶ)ちゃん事件に関するものかと思ったんですが、それらしい文言は見当たりません。
歌詞に「一人残らずあげるのさ」などとあり、どうやら凶悪犯罪の増加を憂えて、不特定の犯罪者に心理的圧力をかけるために作ったような、そんな雰囲気です。
(上右)シングル盤『星の中の男たち』 c/w 『四人の刑事』トリオ・ザイゴンズ
A面は「警察官友の会推薦」の曲。B面は刑事がどんだけ大変な思いをしてホシを追ってるかを詞にしています。
お巡りさんをテーマにした歌、ほかに何がありましたっけね?
若いお巡りさん/曽根史郎
公安さんだよ/曽根史郎
村の駐在所/藤島桓夫
村のおまわりさん/林家木久蔵
ペッパー警部/ピンク・レディー
なに?お巡りさんが……/きゃんきゃん
Hey! ミスター・ポリスマン/石川秀美
Hey Mr. Policeman/Family
Policeman/Jamal
Mr Policeman/Frenkie
Mr. Policeman/Brad Paisley
Policeman Get Hype/Stagga
Makisupa Policeman/Phish
刑事ドラマのテーマ曲とか主題歌は毎年増えてるんじゃないですか?
部長刑事
特別機動捜査隊
東京バイパス指令
夜明けの刑事
コンクリート・ジャングル/桜木健一 『刑事くん』主題歌
太陽にほえろ!/井上尭之バンド
モーガン警部
鬼警部アイアンサイド
刑事コジャック
警部マクロード
刑事スタスキー&ハッチ
どうも古いものしか思い浮かばない(笑)
日本の刑事ドラマの原点といえばTBSの『七人の刑事』ということになりますが、チャンネル権のなかった私はほとんど覚えてません。
(上左)シングル盤『七人の刑事』ビクター・オーケストラ c/w 『恋のムード』松尾和子 1962年
A面は山下毅雄の作・編曲によるテーマ音楽。ハミングのクレジットもあって「Z・デチネー」となってます。山下さんは『大岡越前』のテーマでも似たムードにしてますがフューチャーしたのはハミングではなくて口笛でした。
(上右)シングル盤『亀有公園前派出所異常なし!』 c/w 『スタコラ スタコラ』ジョージ五十嵐&異邦人 1978年3月
AB面ともに所ジョージ作詞・作曲。
『こちら葛飾区亀有公園前派出所』については私は漫画にもアニメにも縁がなかった。たぶん今後もなさそうです。
お巡りさんがカリカチュアライズされるのはせいぜい漫画の世界くらいでしょう。『こまわり君』にしろ『天才バカボン』の「本官さん」にしろ、警察官としちゃぁ見てて愉快なもんじゃないはず。
つい先日も、テレビ東京で『トランザム7000』という、警官をこれでもかとオチョクる映画をやってましたね。アメリカでは警官を茶化すようなこうした作品が多い。『ポリス・アカデミー』なんかもドタバタコメディとしてはよくできてましたが、日本じゃとてもマネできない。批判はもとより笑いのネタにされることに我慢ができないということはあるでしょう。
実写版の『こちら葛飾区亀有公園前派出所』だって、視聴率不振でコケたのか、警官をコケにしたからコケたのか、ホントのとこは判りません。
レコードでけっこう多いのは、警察のキャンペーンに協力するような類のものです。普通のレコード店以外でも売るような場面があったのかどうか。
(上左)シングル盤『白バイパトロール』伊藤鎮也 c/w 『交通音頭』ひばり姉妹 1966年1月
『白バイパトロール』では高速道路、環状線など新時代の道路事情が出てくるだけでなく、「乱線警ら」「日暮れ帰隊」など白バイ警官ならではの言葉も出てきます。
(上右)シングル盤『明るい我が家(リンダ防犯の歌)』山本リンダ c/w 『交通安全音頭』十和田みどり、和田進一 1968年
007じゃありませんが、ドラマの中で派手にドンパチやるなら、それなりに設定をしておかないといけません。たとえばフジテレビのドラマ『東京コンバット』(1968~69年)は警視庁の特殊犯罪捜査班をモデルにした刑事もので、それゆえ銃の使用も可能であり必要である、という説明ができるわけです。現実には一発撃っただけでも重大な責任問題になるのですから、ウソでもこういう設定にしておかないとドラマとして成り立たないでしょう。
……えっ、今は警官がバンバン撃つようになったんですか?
現実のほうがドラマに近づいちゃったのかナ。
(上)シングル盤『東京コンバット』佐藤 允 c/w 『影を追う男』船戸 順 1968年
フジテレビ『東京コンバット』(制作:東宝映画)の主題歌と挿入歌。
それでも公務員だとドラマとして無理がありそうな場合は、主人公を民間人にして事件の捜査をさせるという手があります。
新聞記者、雑誌記者、探偵、興信所調査員、保険調査員、ガードマン・・・
探偵の代表は明智小五郎と少年探偵団でしょう。
昨今の2時間ドラマではまったく違う職業の人が探偵をするというストーリーが主流ですね。そのほうが話をふくらませやすいのは確かです。
(上左)シングル盤『黒蜥蜴の唄』 c/w 『息子よ』丸山明宏(=美輪明宏) 1968年
A面は丸山明宏作詞・作曲。同年、松竹が丸山を起用した映画『黒蜥蜴』を製作しています(監督:深作欣二、音楽:富田勲、明智小五郎役は木村功)。
B面『息子よ』は、なかなか凝った詞で、私はこっちのほうがいいかなぁと思ってます。
(上右)シングル盤『小唄ロック』 c/w 『ブン屋小唄』ダーク・ダックス 1966年
A面は文化放送『八大朝の歌』の一曲。B面はNHK『事件記者』挿入歌。
『事件記者』の主人公たちは警視庁の記者クラブに配属されるような人たちですから、本当は超エリート、いうなれば第一線の花形記者のはずなんですが、ドラマじゃそんな感じではなかったですね。
この番組はひじょうに評判がよく、何度も映画化されています。
外国テレビ映画の探偵ものではワーナー・ブラザーズ制作の『ハワイアン・アイ』『サンセット77』『サーフサイド6』。
『ハワイアン・アイ』
トロイ・ドナヒュー(フィル・バートン)
コニー・スティーヴンス(クリケット)
ロバート・コンラッド(トム)
ポンシー・ポンス(キム)
『サンセット77』
エフレム・ジンバリスト・ジュニア(スチュアート・ベイリー)
ロジャー・スミス(ジェフ・スペンサー)
エド・バーンズ(クーキー)
『サーフサイド6』
トロイ・ドナヒュー(サンディ・ウインフィルド)
リー・パターソン(デーブ・ゾーン)
バン・ウィリアムス(ケン・マディソン)
トロイ・ドナヒュー、コニー・スティーヴンス、ロバート・コンラッドとくれば、すぐに思い出されるのが1963年の青春映画『パームスプリングの週末』(Palm Springs Weekend)。
主題歌『恋のパーム・スプリングス』はトロイ・ドナヒューのヘタさに驚かされました。
1987年の日本映画『漂流教室』(原作:楳図かずお)に出演した時にはあまり話題にならなかったですね。2001年9月2日、惜しくも65歳で亡くなりました。
(上左)シングル盤『サンセット77』Musical Direction:ウォーレン・バーカー c/w 『クーキー、クーキー』エド・バーンズ、コニー・スティーヴンス
このシングルは『サンセット77』の映像と音楽が「スーパー・ニッカ」のCMに使われたことを受けて1982年3月にリリースされたものです。
(上右)シングル盤『サンセット77』スリー・グレーセス c/w 『反逆児ユマ』フォー・コインズ 1960年11月
ジャケ持ってません。
(上左)シングル盤『ローハイド』 c/w 『連邦保安官』小坂一也 1960年5月
AB面ともに同名外国テレビ映画の主題歌。演奏は堀威夫とスイング・ウエスト。
(上右)シングル盤『刑事コロンボ』 c/w 『鬼警部アイアンサイド』ヘンリー・マンシーニ楽団 1974年
連邦保安官という存在はアメリカ社会にとって特別なもののようですね。建国当初からのポストで、警察の人ではなく、司法省に所属する連邦法執行官職の一つだそうです。
外国テレビ映画の『連邦保安官』については、私はマッタク記憶にございません。
1963年の大晦日にアメリカで公開された西部劇に『連邦保安官』(GUNFIGHT AT COMANCHE CREEK)というのがあり、何か関係があるのかなぁという気がしますが、これもまた未見です。
西部劇の保安官ものは捜査をするというより、ならず者と対決したり、お尋ね者を追跡したりする話がほとんどですから、警官ものとは一線を画すと思われます。日本だって、岡っ引き・同心・町奉行・火付盗賊改方長官、はたまた退屈を持て余している旗本が「もつれた謎を解く」からといって、警察ドラマの範疇に入れることはないですしね。
あゝ、そういや、国全体じゃなくて郡とかの行政区を担当する保安官を撃っちゃったって歌、ありますね。
この場合の保安官も、警官ではなくて地方の役人、ということになります。
さて、最後に、私の理想の刑事像。
1960年の東宝映画『黒い画集 あるサラリーマンの証言』の西村晃。
取調室で小林桂樹の告白を聞いたときの演技。
ありゃ最高です。
追加記事
凡 三原の『犯人(ほし)を探せ』は、Yahoo!オークションに2回出品されてるようです。
凡三原「よしのぶちゃん/犯人を探せ」DI-1011自主EP(007ジャケ – Yahoo!オークション
商品説明
ジャケ周囲に貼り付けテープ痕/ジャケ裏に鉛筆にての書き込み箇所あり、盤面極美品/レーベルにラベル貼り付けありです。グラモフォン委託プレス盤
http://page5.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/e91589855
これによると、凡 三原は『よしのぶちゃん』という歌も歌っていて、ニッポンレコードより先か後かは分かりませんが、日本グラモフォンにレコードを製造委託している、ということになります。
(2009年10月17日)