では次に、実在した人物の名が使われてる歌で、明らかに追悼ソングではないものを見ていきましょう。
歴史的有名人の名とイメージを借用した例では、
クレオパトラの夢/バド・パウエル
ティーンエイジ・クレオパトラ/トレイシー・デイ
クレオパトラ/フランキー・アヴァロン
シーザーとクレオパトラ/沢リリ子 (MGM『クレオパトラ』主題歌)
クレオパトラの涙/由紀さおり
クレオパトラの涙/シェリー
Cleopatra/Jamie Coe
Cleopatra/The Precisions
Hey,Cleopatra/Lor Crane
Cleopatra’s Needle/Ahab & the Wailers
テムジン/ジンギスカン
ジンギスカン/ジンギスカン
チンギス・ハーン/岡林信康
ヘンリー8世君/ハーマンズ・ハーミッツ
レディ・ジェーン/ザ・ローリング・ストーンズ
(上)狂ったナポレオン, ヒヒ, ハハ……/ナポレオン14世 (ライノのリイシューLP)
ピンクのモーツァルト/松田聖子
アイ・ライク・ショパン/ガゼボ
雨音はショパンの調べ/小林麻美
雨音はショパンの調べ/愛里
SAIHATE HOTEL/稲葉浩志 (ショパン)
シューベルト物語/ニッキー
恋は未完成(シューベルト)/一条恵三奈 (ルビとして)
ブラームスはロックがお好き/MIE
弁解ドビュッシー/椎名林檎
ロダンの肖像/弘田三枝子
カスパル・ハウザー/ジンギスカン
怪僧ラスプーチン/ボニーM
酋長ジェロニモ/ジョージ・ジョーンズ
Mr. Custer/Larry Verne
Young Abe Lincoln(Make A Tall, Tall Man)/Johnny Horton
The Story Of Jesse James/Jamie Coe
竜馬がゆく/奥田清、コールアカシヤ
竜馬の恋/村田英雄
ふたりで竜馬をやろうじゃないか/ルービー・ブラザーズ
坂本龍馬より おりょう/島津亜矢
おりょう恋情話/小野和子
西郷どん/春日八郎
三宅伝八郎はよか稚児ざくら/こまどり姉妹 (1962年7月封切『馬上の若武者』に先駆けて同年2月リリースの曲)
ちゃっきり節/ (清水の次郎長)
世界大物節/大川加寿也 (太閤秀吉、渡辺崋山、二宮金次郎、西郷隆盛、板垣退助、ジンギスカン、秦の始皇帝、ナポレオン、釈迦、キリスト、孔子)
世界英雄史/ピンク・レディー (ナポレオン、シーザー、秦の始皇帝、ジンギスカン、アル・カポネ、カメハメハ大王、徳川家康、佐々木小次郎、平清盛、アレキサンダー大王、T・E・ロレンス、バスコ・ダ・ガマ、ジョージ・ワシントン、マハトマ・ガンジー、ロアール・アムンゼン、織田信長、弁慶、霧隠才蔵)
須磨子の愛/浜みちひろ
ミスター・ボージャングルス/ニッティ・グリッティ・ダート・バンド (ビル・ “ボージャングルス” ・ロビンソン)
青春の一ページ/高沢順子 (太宰治)
わたしはジャン・コクトーを知っていた/加藤和彦
ロンリー・チャップリン/鈴木聖美 with Rats & Star
拝啓トルーマン大統領/シカゴ
ハリケーン/ボブ・ディラン (ルービン・カーター)
歌うカウボーイ、ロイ・ロジャース/エルトン・ジョン
ジェイムス・ディーン/イーグルス
てぃーんずぶるーす/原田真二 (ジェームス・ディーン)
HERO ヒーローになる時、それは今/甲斐バンド (ジェームス・ディーン)
“16″/BOΦWY (ジェームス・ディーン)
ジェームス・ディーン/ザ・クロマニヨンズ (タイトルだけで、詞はバンド活動サイコーという趣旨)
ジェームス・ディーンみたいな女の子/大沢逸美
ジェームス・ディーンのように/Johnny
ジェームスディーンのように 2002/横浜銀蝿
アンジェリーナ/佐野元春 (ジェームス・ディーン)
TAXI乗りたて/グループ魂 (ジェームス・ディーン)
アメリカかぶれ/郷ひろみ (ジェームス・ディーン、エルビス・プレスリー)
おしえて!エルビス/キャッシー中島 (1975年7月)
ゴロワーズを吸ったことがあるかい/かまやつひろし (ジャン・ギャバン、ナポレオン、マリー・アントワネット、ミック・ジャガー)
The Jackie Look/Kris Jensen (ジャクリーン・ケネディ?)
Brigitte Bardot/Jorge Veiga(1960年)
Betty Page/Blue Devils(1995年)
風の中の火のように(孤独な歌手、ノーマ・ジーン)/エルトン・ジョン (=「キャンドル・イン・ザ・ウィンド」)
素顔のままで~ノーマ・ジーンのように/田嶋里香


(上左)マリリン・モンロー ノー・リターン/野坂昭如
バンド讃歌あるいは有名バンドへの言及ではビートルズが一番多いでしょうが別ジャンルということで。ここではストーンズ物を。
しかしバンド物も含めると新撰組、白虎隊、海援隊といった集団名まで出さないとダメかな???
(上右)ローリング・ストーンズは来なかった/西郷輝彦 (1973年6月)
あこがれのローリング・ストーンズ/Brown Suger (1981年4月)
ヤァ!ヤァ!ストーンズがやって来る/ザ・ナンバーワン・バンド (1983年7月)
僕が欲しいもの/TRICERATOPS (ローリング・ストーンズ)
マリワナ伯爵/サザンオールスターズ (ローリング・ストーンズ)
臭いものにはフタをしろ!!/森高千里 (ローリング・ストーンズ)
ホンキーマン/ウルフルズ (ミック・ジャガー)
ボブ・ディランに捧げる歌/三浦 久 (1972年)
いまボブ・ディランは何を考えているか/内田裕也 (1978年5月)
僕らのヒーロー/中島卓偉(TAKUI) (ジョーイ、ジミ、ボブ、ミック、ジョニー、ジョン)
ジョーイ・ラモーン、ジミ・ヘンドリックス、ボブ・ディラン、ミック・ジャガー、ジョニー・ウインター、ジョン・レノンであるか?
金色のライオン/川村かおり (セックス・ピストルズ)
(下左)ジャニスを聴きながら/荒木一郎 (1975年。イアンでなくジョプリン。A面は『君に捧げるほろ苦いブルース』)
ジャニスを聴きながら/あおい輝彦 (カバー)
ジャニスを聴きながら/江本孟紀、入江真知子 (カバー)
ソニー・ボーイ・ウィリアムスン/ポール・ジョーンズ (1967年)
ブルース・リー/マーカス・ミラー
(下右)サルトルで眠れない/早瀬優香子 (1986年1月)
今でも…今なら…/大神いずみ (ジョン・コルトレーン)
グレース・ケリー/MIKA
彼が居た ― そうだ!たこ八郎がいた/友川カズキ(1985年。同年7月7月24日、たこ八郎死去)
ジャン・ジュネに訊け/友川かずき




歌が作られた時点で名前の主が生きてる場合としては、
オードリー・ヘプバーン泥棒/MONOBRIGHT
オードリィ・ヘプバーンの休日(Holiday for Audrey.H)/ピチカート・ファイヴ
ブレンダ・リー/チャック・ベリー (1964年 アルバム『St. Louis to Liverpool』)
Radar Love/Golden Earring(1973年、ブレンダ・リー)
栄ちゃんのバラード/ (作詞・作曲:南大阪ベ平連。上左は東京フォーク・ゲリラの日比谷野音実況録音盤)
ディグ・イット/ザ・ビートルズ (B.B.キング、ドリス・デイ、マット・バスビー)
Yoko/Tony Hatch & The Cherry Children(1970年、英パイレコード)
ジョンとヨーコ/中山恵司 (1971年5月。作詞:阿久悠、作曲:高瀬タカシ、B面:さらば)
恋文/由紀さおり (1973年8月。シャルル・アズナブール)
アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた/榊原郁恵
私のフランソワーズ/荒井由実 (サガンでなくアルディー)
ツイッギー・ツイッギー/野宮真貴
ベティ・デイビスの瞳/キム・カーンズ
シンシア/よしだたくろう&かまやつひろし (シンシアは南沙織の愛称)
ジュリーがライバル/石野真子
アグネス・ラム賛歌/JACK (1976年10月)
スウィート・アグネス/高中正義
(上右)タモリきいてちょ!!/水谷ミミ
ジョニー・カーソン/ビーチ・ボーイズ
オリバー君のロックンロール/池田 鴻 (1976年。B面:恋する!オリバー君)
ウエルカムR-O-L-L-E-R-S/ベイシティ・フェローズ (1977年9月)
ウェルカムB.C.R./南条由記 (1977年9月)
恋はB.C.R./エミリー (1977年12月)
シー・ユー・アゲーン・キャンディーズ/MMP&ホーン・スペクタル (1977年12月)
ああキャンディーズ/全キャン連・スーパー・スペシャル・バンド (1978年2月)
ピンク・レディー/モンスター (アルバム『LET’S ONDO AGAIN』)
グレープの唄が好きでした/寒暖計 (1978年7月)
元祖高木ブー伝説/筋肉少女帯 (高木ブーは2009年6月現在、ご健在です)
借りたままのサリンジャー/山崎美貴 (1985年11月)
JACK NICOLSON/bloodthirsty butchers (2004年)
LIKE B.B./武田真理子 (2004年三愛水着イメージガール。2004年5月)
ジェームズ・ブラウン・イズ・デッド/L.A.スタイル
マイケル・ジャクソン ノーリターン/The Echinococcus
アウン・サン・スー・チー/ジェーン・バーキン
などがありますね。探せばもっと出てきそうです。
こうした例では、誰もが知っていて、そのイメージがある程度ハッキリしていることが重要です。
使われ方としては、純然たるトリビュート・ソングもあれば、名指しでの批判、単なるイメージ借用もあって、いろいろです。
椎名林檎の『弁解ドビュッシー』のように、単に語感だけでタイトルに用い、歌詞には出てこない、という使い方も多々見受けられます。
――困ったもんですね。
本人が無名のときに歌ができて、あとから本人が有名人になったという例もあります。
1944年、シナトラが当時2歳の娘ナンシーのために作らせた歌。その娘がのちにセクシー路線で人気歌手になろうとはさすがのシナトラも想像しなかったでしょう。
そのほか、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコの、ニコが、自身とアラン・ドロンとの間に設けた(らしい)男の子アリ(=アリ・ブーローニュ)について歌っている、その名もズバリ『アリの歌』というのが知られています。2001年4月にはアリが書いた自伝『L’Amour N’Oublie Jamais(Love Never Forgets)』が出版され、ベストセラーとなりました。
家族や親類に捧げた楽曲ではほかに
ネイマ/ジョン・コルトレーン
ムッシュー&タロー/ザ・スパイダース
がよく知られております。

(上)ヴァン・ダイク・パークスのLP『ディスカヴァー・アメリカ』(1972年)。
ウエストコースト・ロック史上に燦然と輝くバーバンク・サウンドの、そのキーマンの一人ヴァン・ダイク・パークスの超有名盤で、残念ながら私が持ってるのは英エドセル・レコードによるリイシュー(ジャケット下にマークがついてるでしょ?)。確か1987年の発売だったと記憶してます。
お名前ソングという観点でこのアルバムを語る人は私くらいでしょう(笑)
登場する人物は俳優、歌手、大統領、FBI長官など多岐にわたってます。
総体“カリプソ愛”に充ち満ちていて、アッティラ・ザ・フンなどで知られるカリプソ音楽のヒット曲『ルーズヴェルトのトリニダード訪問』とかあるので、このアルバムで初めて知った『ジョン・ジョーンズ』という歌の主人公であるジョン・ジョーンズも実在する人物なんだろうと思い、LPを買った当時、調べてみたことがありました。
建国から第2次世界大戦くらいまでの間にアメリカ史に登場するジョン・ジョーンズで、西インド諸島に関連する人物だろうと見当をつけ暇つぶしに……元いッ、虱つぶしに当たったんですけどね。これがどうにも分らない。
で、諦めました。
ホンダCITYのCMで日本でも大人気だったマッドネスがカバーしてるルディ・ミルズのレゲエ『ジョン・ジョーンズ』は、作者名のクレジットが曲のプロデューサーでもあるDerrick Harriottとなっていて、いわゆるトラディショナルじゃない。伝承曲の存在をふまえたものにせよ、やはり別ものと考えるべきでしょうねぇ。
童謡『サッちゃん』じゃないですが、いかにも育ちのいい“坊ちゃん”タイプのヴァン・ダイク・パークスは自分の名を冠した歌も歌ってます。
1968年の初アルバム『ソング・サイクル』で、Public Domain(著作権切れ)の19世紀イギリスの『讃美歌320番 主よ、みもとに(聖歌260番 主よいよいよ)』(作詞:Sarah Flower Adams、作曲:Lowell Mason、1856年)の一節、
yet in my dreams I’d be nearer, my God to thee
Nearer, my God, to thee, nearer to thee!
(訳)ただ夢見るは 主よ御許に近づかん
主よ御許に近づかん 主よ御許に近づかん
を、
Yet all my dreams shall be nearer my God to Thee.
Nearer my God to Thee. Nearer to Thee.
として、
自分の名前『Van Dyke Parks』のタイトルで歌っております。いわば自分のテーマソングということでしょう。
自身のアイデンティティを歌にするにあたり、こういう手法を用いるところが、いかにも凝り性ミュージシャンらしくて面白いですね。
- The Music Of Van Dyke Parks
- West Coast Rock : Discover America
- 主よ御許に近づかん(しゅよみもとにちかづかん)賛美歌第320番 歌詞・日本語訳・MIDI
“キャラの立ってる”有名人であれば、何も実在の人物じゃなくてかまわないわけですし、実在したとしても伝未詳で虚像ばかりが独り歩きしている歴史的人物も多いですから。
サブウェイ特急/矢沢永吉
では、実在の人物ジェームス・ディーン、小説・映画の主人公ジェームス・ボンド(詞ではおそらくショーン・コネリーを想定している)、ビートルズの歌の主人公エリナーリグビィー(=エリナー・リグビー=エレノア・リグビー)が、地下鉄に乗ってるお疲れ顔の乗客へのメッセージの中に“勧請”されています。地下鉄ソングとしては私はペトゥラ・クラークの『天使のささやき』と好一対の曲だと思いますよ。
虚像ばかりが独り歩きするというのは、キャラクターが拡大再生産、または再利用されているということですね。
日本の場合、実在の人物、例えば名の知れた武将であるとか、市井の無名人でありながらたまたま事件を起こして一時 名前が知れ渡ってしまった人たちとかが、
能、謡曲、地歌、人形浄瑠璃、歌舞伎、舞踊、伝承譚、民話、昔話、御伽草子、浮世草子、俗謡、説経節、浪花節、あほだら経、講談、芝居、落語、尋常小学校修身書、活動写真、小説、立川文庫、紙芝居、新聞、雑誌、ラジオ、流行歌・・・
などで取り上げられることにより、
実像とかけ離れた特異なキャラクターとして認識される例が多い。これは広大なインド亜大陸の各地で釈迦の名を使ってさまざまなお経が作られていったのとよく似てるんじゃないでしょうかネ。
花の義経/山田太郎
敦盛哀歌/舟木一夫
大楠公/有島通男
清正さん/藤本二三吉
独眼流参上/村田英雄
あゝ大阪城/三橋美智也
あゝ川中島/斎藤京子
ああ本能寺/下谷二三子
曾我物語/三波春夫
曽我の討入り/三波春夫 (歌謡浪曲)
宮本武蔵の唄/樋口静夫
お夏清十郎/東海林太郎
お夏清十郎/美空ひばり
お染久松/美空ひばり
おかる道ゆき/美空ひばり
八百屋お七の唄/美空ひばり
お俊恋唄/榎本美佐江
おしゅん晴れ姿/曽根史郎
恋の藤十郎/若原一郎 (菊池寛の新歌舞伎に初代を主人公とした『藤十郎の恋』があり映画化もされた)
唐人お吉の唄(明烏編)/藤本二三吉
唐人お吉の唄(黒船編)/佐藤千夜子
雪の甚兵衛渡し/大川加寿也
義民佐倉宗五郎/大川加寿也
啄木旅愁/三橋美智也
がんくつ王/村田英雄
これらの歌は、実在した または実在したらしい人物に関する拡大再生産のフィルターを通過した後の、あくまでも作品です。
けっして史実の記録じゃない。フィクションを交えて、面白おかしく、感動的に再構成した商品なんです。
虚実皮膜どころか嘘八百、本当なのは名前だけかもしれない。
歌というものはとりわけその傾向性が甚(はなは)だしく、現時点においては映像に次いで、影響力、感化力があるメディアだと、私は認識しています。若い人や齢(トシ)いってても情動的な人には特に有効でしょう。
そういや北朝鮮が金正雲を偉大な後継者に祭り上げる歌を子供に歌わせてるそうですね。
神話・伝説・小説・演劇・映画・漫画・アニメ等の登場人物の歌は、お名前ソングということでは、実は今では一番多いかもしれません。
なにしろ日々、アニメの主題歌・挿入歌が世界中で量産されてるんですから。
架空の人物の名を使った例では、
ヴィーナス/ショッキング・ブルー
気まぐれヴィーナス/桜田淳子
裸のビーナス/郷ひろみ
ブルー・ジーン・ビーナス(ヴィーナス・イン・ブルー・ジーンズ)/ジミー・クラントン (ヴィーナス、モナリザ、シンデレラ)
Adonis/Terri Dean (アドーニス、ヴィーナス)
黒いオルフェ、オルフェの歌、カーニヴァルの朝/ (映画『黒いオルフェ』主題歌)
ヒーロー/ボニー・タイラー (比喩としてヘラクレスの名が出てくる)
アダムとイブの物語/ポール・アンカ
アダムとリンゴ/バリー・ダーヴェル
バイ・バイ・アダム/和田アキ子
未來のイヴ/宝野アリカ (イヴ、メフィストフェレス)
聖母(マドンナ)たちのララバイ/岩崎宏美 (聖母にマドンナのルビなら聖母マリアだが「たち」と複数。しかも戦士を慰めるママ代わり)
(右)サバの女王/ローラン (実在の人物?)キューピー・ドール/ペリー・コモ
Mr. Cupid/The Vespers
Poor Little Cupid/Joe Dowell
キューピッドよあの娘を狙え/サム・クック
キューピッド/ドリフターズ (カバー)
キューピッド/オーティス・レディング (カバー)
キューピッドよ、あの娘をねらえ/サム&デイヴ (カバー)
Cupid/トム・ジョーンズ (カバー)
キューピッド/グレアム・パーカー (カバー)
キューピッド/スピナーズ (カバー)
Cupid/エイミー・ワインハウス (カバー)
恋のキューピット(間抜けなキューピット)/コニー・フランシス (キューピッド、ロビン・フッド)
間抜けなキューピット/ニール・セダカ (作者のセルフカバー)
ぼくと月とキューピッド/ジーン・ピットニー
私と月とキューピッド/パティ・コギン (カバー)
キューピッドLOVE/花井その子
モナ・リザ/ナット・キング・コール
モナリザの星/アイ・ジョージ
モナリザの微笑(ほほえみ)/ザ・タイガース
モナリザの秘密/郷ひろみ
モナリザ仁義/鈴江京子
シンデレラ/ポール・アンカ
シンデレラ/ジャック・ロス (内容は漫談)
夢のシンデレラ/ザ・カスケーズ
シンデレラ・ジョーンズ/ペトゥラ・クラーク
シンデレラ/ジャッキー吉川とブルー・コメッツ
シンデレラ・サマー/石川優子
シンデレラたちへの伝言/高井麻巳子
不思議な国のアリス/ニール・セダカ
ピーターパン/歌上艶子 (1936年、松竹少女歌劇『ピーターパン』主題歌)
HERO/GIFT (幼少時に憧れたヒーローはピーターパンという内容)
キャプテン・ネモ/ジンギスカン
ハッチ大作戦/ジンギスカン
ダニー・ベイリーのバラード(ケンタッキーの英雄の死)/エルトン・ジョン (モデルはジョン・デリンジャーまたは、アーサー・フロイド”Pretty Boy” Floydだそうです)
とかがありますし、
演劇・歌劇・小説・映画の登場人物とそのイメージを転用・流用した例としては、
ロメオとジュリエット/ザ・リフレクションズ
ロミオ・ハド・ジュリエット/ルー・リード
長崎のお蝶さん/渡辺はま子
長崎の蝶々さん/美空ひばり
東京ティティナ/生田恵子 (1953年8月。正確には登場人物ではないが『モダン・タイムス』の劇中歌の主人公)
可愛いいティティナ/美空ひばり
カスバの女/エト邦枝
カスバの女/緑川アコ (カバー)
シャーロック・ホームズとワトソン博士/谷啓 (NHKみんなのうた 1975年)
シャーロック・ホームズを捕まえて/ヴィーナス(1979年2月)
雪国/水原弘 (川端康成『雪国』の駒子)
駒子/おおとり舞
雪国 ~駒子 その愛~/坂本冬美
ミスター・ロビンソン/内田喜郎 (1971年5月)
エマニエル夫人/杉本エマ (1975年2月)
ダスティン・ホフマンになれなかったよ/大塚博堂(1976年。69年の『ジョンとメリー』、67年の『卒業』について歌っている)
ミスター・グッドバーを探して/細坪基佳 (1979年。ヒットした同名映画は78年日本公開)
あたりは知ってる人は知っている、という感じでしょう。
ちなみに、映画の存在を踏まえて作られた『「いちご白書」をもう一度』や『愛染かつらをもう一度』には人物名は登場しません。
ボガード、バ-グマンの『カサブランカ』に影響された歌は戦後すぐの日本初公開時から何曲も作られているのに、なぜか言及は地名と名セリフだけで2人の名前がないのは不思議な感じがします。やはりボガードのギャング顔はJapaneseにはイマイチだったのかな。
1979年の
に至ってようやく「ボギー」=ボガードの名が詞に出てきます。
1982年の
には固有名詞はありませんが「セピア色した映画」「スクリーン見つめて」等とありますから映画『カサブランカ』の存在を前提にしていることは確かでしょう。
(上左)お染さん久松さん/ひばり姉妹 (1965年10月)
(上右)桃太郎さん/名城かつ子(1966年10月)
歌舞伎となるとちょっと増えます。
白浪五人男/楠木繁夫、美ち奴、藤山一郎、木村 肇、杵淵一朗
直次郎はん/鈴木三重子
お富さん/春日八郎
浜松屋/春日八郎 (弁天小僧菊之助)
恋の権八/春日八郎
与三さん/照菊
河内山/白根一男
弁天小僧/三浦洸一
重の井子別れ/三橋美智也
御存じ弁天小僧/美空ひばり
お嬢吉三/橋幸夫
花の幡随院/島津亜矢
浄瑠璃・浪花節ではこんなのはどうでしょう。「夢が浮世か浮世が夢か、ドゥールットゥトゥシュブン」「頃は六月なかのころ、ランランゲレラン、アゲレラン」・・・ あっ失礼、こりゃワタシ用の浪花節でした。では改めましておなじみの壷坂霊験記から
お里沢市 壺坂物語/三波春夫 (歌謡浪曲)
名月綾太郎ぶし 壷坂霊験記/三波春夫 (歌謡浪曲)
今でいうメディアミックスは江戸時代にもありました。違うジャンルで相前後して作品化されることは珍しくなかった。
昭和に入ってからは、小説(雑誌)、芝居、映画、流行歌(レコード)、ラジオ(のちにはテレビ)が強力にリンクするようになりました。
トーキーの時代になると主題歌・挿入歌がレコードで発売され、相乗効果を生むようになります。
再映画化で新しい歌が作られたり、当代の人気者が元の歌をカバーしたり、ときには便乗ソングが生れたりもしました。
以下、代表的な作品群だけ挙げておきましょう。
丹下左膳の唄/楠木繁夫
婦系図の歌(湯島の白梅)/小畑実、藤原亮子
お蔦/島津亜矢
自雷也小僧/藤山一郎 (日活『自雷也小僧』)
御誂次郎吉格子/藤山一郎
月形半平太の唄/東海林太郎
月形半平太の唄/美空ひばり
番場の忠太郎/真山一郎 (歌謡浪曲)
忠太郎月夜/三波春夫
瞼の母/三波春夫 (歌謡浪曲)
瞼の母/中村 美律子
瞼の母/島津亜矢 (同じ曲)
番場の忠太郎/氷川きよし
沓掛小唄/曾我直子 (日活『沓掛時次郎』)
沓掛時次郎/北廉太郎 (日活『沓掛時次郎』)
沓掛月夜/照菊
沓掛月夜唄/白根一男
沓掛時次郎/三波春夫
沓掛時次郎/橋幸夫
遊侠一匹/フランク永井 (東映『沓掛時次郎 遊侠一匹』)
人生劇場/楠木繁夫(日活『人生劇場 残侠編』)、村田英雄
人生劇場(続残侠篇)/村田英雄 (歌謡浪曲)
人生劇場(吉良常の最期)/村田英雄 (歌謡浪曲)
人生劇場の歌/宇都美 清
残侠吉良常の唄/鉄鉋光三郎
男吉良常/村田英雄
飛車角太鼓/金田たつえ
お島千太郎旅唄/伊藤久男、二葉あき子 (東宝『蛇姫様』)
蛇姫様/美空ひばり
お島千太郎/美空ひばり
お島・千太郎 つれ舞い道中/鏡 五郎、真木柚布子
蛇姫様/高英男
勘太郎月夜唄/小畑実、藤原亮子 (東宝『伊那の勘太郎』)
勘太郎笠/三浦洸一
勘太郎凧/田端義夫、大高沙子
勘太郎天竜唄/藤島桓夫
伊那節情話/大川加寿也
伊那の勘太郎/大川加寿也
雪之丞変化/美空ひばり (新東宝『競艶雪之丞変化』)
江戸の闇太郎/美空ひばり ( 〃 )
姿三四郎/村田英雄 (フジテレビ『姿三四郎』)
姿三四郎(右京ケ原の決斗)/村田英雄 (歌謡浪曲)
姿三四郎/姿憲子 (NTV『姿三四郎』)
江戸の三四郎さん/高田浩吉
女三四郎/水前寺清子
講談・浪花節のヒーローが小説になったり、
小説・戯曲が映画になって、のちに浪曲・歌謡浪曲になったりする例もあります。
赤城の子守唄/東海林太郎
赤城しぐれ/霧島昇
赤城の三人男/村田英雄
忠治子守唄/藤島桓夫
忠治流転笠/小畑実
忠治流転笠/三波春夫
国定忠治も清水次郎長(しみずの じろちょう)も実在する侠客でした。
明治26年まで存命だった次郎長を「伝説」化したのは、講談の三代目神田伯山、浪曲の二代目広沢虎造、そして小説家の村上元三です。
石松旅だより/上原 敏
旅姿三人男/ディックミネ
吉良の仁吉/美ち奴
吉良の仁吉/村田英雄
仁吉男笠/三波春夫
仁吉は男/若原一郎
あゝ荒神山/三波春夫
石松野郎の歌/ジェリー藤尾
俺ら次郎長/橋幸夫
次郎長富士/北島三郎
旅姿三人男/竹脇無我 (カバー。フジテレビ『清水次郎長』)
任侠清水港 (フジテレビ『清水次郎長』)
吉良の仁吉/天童よしみ
おんな次郎長/天童よしみ
河内の次郎長/眞山一郎
鴛鴦東海道/三笠優子
~吉良の仁吉の妻~ お菊残照/三笠優子
お蝶次郎長恋姿/竹川美子、岡千秋
次郎長・お蝶ふたり笠/松平健、真木由布子
夜もすがら踊る石松/中村美律子
渡り鳥姉妹/春野百合子、中村美律子
東海道/鳥羽一郎
風劇場/Mr.中村半次郎
うなれ! TORAZO!/the Case BY Case ふみまる&じんじん (アニメ浪曲紀行「清水次郎長伝」)
次郎長パソドブレ/the Case BY Case おしげ( 〃 )
華原朋美の『あのさよならにさよならを』はNHK木曜時代劇『次郎長 背負い富士』の主題歌でしたが、歌詞には一切 次郎長は出てきませんし、時代劇らしさもありません。敏感な人ならアレッ?と思うようなこうした使われ方では、たいがいロイヤルティの配分が話し合われたりするんですが。
それにしても副次的・衛星的存在としての楽曲は実に多い。多すぎます。
映画にしろドラマにしろアニメにしろ主人公がいるわけで、その主題歌・挿入歌・イメージソングともなると、当然のように名前が入りますが、そういうのまで果してお名前ソングにカウントしていいものかどうか。
あなたは、どう思いますか。
ところで、架空人物の追悼歌があったとして、それがほんとうの追悼ソングといえるのか、というまたヒジョーにムツカシい問題があります。
で触れた「デス・ディスク」にはそうした要素がかなりある、と私は思ってます。ただ漫画やアニメのジャンルとなると個人的に線を引きたくなってきます。
私は“力石徹の葬儀”というイベントをメーンにしたあのファンの集い(1970年3月24日)に行こうと思えば行けましたが、当時、行く気にはなれない、とハッキリ自覚しておりました。今から考えりゃ行っときゃよかったナと(笑)




