日別アーカイブ: 2009/05/24 日曜日

ディスコ・キッド

2009/05/24 09:00~09:30 テレビ朝日 題名のない音楽会
「全日本吹奏楽コンクール」課題曲を中心に、番組HPで募集した吹奏楽人気曲ベスト10を発表。ゲストに吹奏楽カリスマ顧問・丸谷明夫、人気活弁士・山崎バニラ他。
出演
司会・指揮:佐渡裕
司会:久保田直子(テレビ朝日アナウンサー)
ゲスト:富樫鉄火(音楽ライター)、丸谷明夫(大阪府立淀川工科高等学校吹奏楽部顧問)、山崎バニラ(活弁士)
演奏:シエナ・ウインド・オーケストラ
http://tv.yahoo.co.jp/program/6708/?date=20090524&stime=0900&ch=8228

「日本の吹奏楽の歴史(2)人気曲ベスト10」と題し、番組視聴者からのアンケートを元に、人気曲をランキングで発表するというので、録画しました。
番組で発表された順位は以下のとおりです。

1 ディスコ・キッド(作曲:東海林 修)
1977年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲。

2 アルヴァマー序曲 Alvamar Overture(作曲:James Barnes)
カンザス大学で管弦楽を教えているほか、現在も各国の軍楽隊から作品を依頼されるなど、現役として活躍中。「アルヴァマー」がバーンズの自宅近くにあるゴルフ場の名前とのトリビアは有名。

3 アルメニアンダンス パートI Armenian Dances PartI(作曲:Alfred Reed)
1972年発表。吹奏楽の世界では名曲中の名曲との評価。5拍子が出てくる。コンクールの自由曲としても人気が高い。

4 吹奏楽のための「風之舞」(作曲:福田洋介)
2004年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲。第14回朝日作曲賞受賞。

5 風紋(作曲:保科洋)
1987年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲。

6 The Seventh Night of July~TANABATA~(たなばた)(作曲:酒井 格)
作者の酒井 格(さかい・いたる)は曲の原型を高校生のときに作った。憧れの人が7月7日生まれだったことからこのタイトルになったという。

7 フェスティヴァル・ヴァリエーションズ Festival Variations(作曲:Claude T. Smith)
アメリカ空軍バンドの委嘱によって作られ1982年に発表された作品。プロでも間違えることのある「難曲」で、作曲者はホルン奏者をざわと困らせようとしたなどと冗談交じりに発言している。

8 第六の幸福をもたらす宿 The Inn of the Sixth Happiness(作曲:Malcolm Arnold)
イングリッド・バーグマン主演の『六番目の幸福(The Inn of the Sixth Happiness)』の挿入曲を吹奏楽用に直した作品。アーノルド自身もこの映画の曲を管弦楽組曲として披露している。

9 アフリカン・シンフォニー AFRICAN SYMPHONY (作曲:Van McCoy)
ディスコ曲を岩井直溥が吹奏楽に編曲したもので、高校野球の応援歌の定番として演奏されるようになった。

10 海の男たちの歌 Song of Sailor and Sea(作曲:Robert W. Smith)
1996年に米海軍軍楽隊のために書かれた。曲中、本物の鎖を机に叩き付ける効果音を用いる。

番組では1位から5位までが演奏されました。
日本の吹奏楽人気は世界でも希だそうです。それだけ日本人の民族的嗜好にマッチしてるということなのでしょう。

『アフリカン・シンフォニー』は1974年11月に発売されたヴァン・マッコイのアルバム『ラブ・イズ・ジ・アンサー』に収められているもので、FM番組のテーマ曲としてまず人気が出た曲でした。これが編曲され、学生のための吹奏楽のお手本となっている『ニュー・サウンズ・イン・ブラス』シリーズの1977年版に『ソウル・トレイン』『ハッスル』などとともに収録されました。

『たなばた』をテーマした音楽が
七夕 – Wikipedia
に掲載されてて、酒井格の「たなばた」は2番目にリストアップされてます。追加しておくと、

ただいま―七夕篇―/河口恭吾
いつか七夕/熊木杏里
七夕ダイヤル/navy & ivory
冬・七夕/西方裕之
七夕月 (萩の花咲く頃)/山本譲二
七夕 feat.Chee/DINOSAUR

ついでに天の川では、

天の川/甲斐名都
天の川/THE HIGH-LOWS
天の川/及川恒平
天の川/aiko
天の川絶唱/黒木梨花
天の川情話/石川さゆり
天の川逃避行/Kra
天の川伝説/よしかわちなつ

といった感じでしょうか。これが「銀河」だと、宇宙が舞台のアニソンとか入ってきて膨大な数になってしまいます。

緩急が明確で、なおかつコンテンポラリーな雰囲気を持っている『風紋』からは日本の映画音楽とのシームレスな共通性が感じられます。
この映画音楽(テーマ曲、劇伴)との共通性というポイントは現代音楽全体に関わる「宿命」というか「問題」でして、
商業音楽の人たちは陳腐な技を使ってでもウケ狙いの展開をしたり、決められた長さ(サイズ)で作らなければならないといった制約の中で仕事をしてますが、
芸術としての現代音楽が商業音楽の成果をそれなりに吸収せざるを得ない現状というのは、大いなる皮肉ではあります。

『第六の幸福をもたらす宿』の映画『六番目の幸福』は1958年の20世紀フォックス作品で翌年日本でも公開されました。原作はアラン・バージェスの実話小説。
日本軍の侵攻が続く中、中国の貧しい山村へ伝道を志してやってきた女性の物語で、「六番目の幸福」は旅館の名前。バーグマンが質素な中国服を着て、芯の強い女性を演じております。現在中国では政府の管理を受け入れてる教会のほか宗教的独立を目指す地下教会が存在しているようですが、この映画が実話ならそうした現状にもつながってくる内容です。中国を舞台にしたハリウッド映画では『北京の55日』の音楽のほうが世間的には知られております。

『吹奏楽のための「風之舞」』は和風ムード。伊福部昭の確立した世界を現代的に継承している観があります。

『アルメニアンダンス パートI』『アルヴァマー序曲』。これらはもうハリウッドの映画音楽とあまり変わらない。というか、優れた作曲家がハリウッドに結集した歴史からすれば当然でしょう。
『アルヴァマー序曲』は、まんまエルマー・バーンスタイン調です。

アルヴァマー序曲

『ディスコ・キッド』の作者 東海林 修は作・編曲家として、歌謡ポップスや劇伴のなど商業音楽の分野で大活躍した人。現在は悠々自適、シンセサイザーを使って創作活動にいそしんでおられるとか。
この曲はズバリ和製ディスコの吹奏楽版で、吹奏楽ファンには特別人気が高く、この楽曲だけのために『ディスコキッドフェスティバル』が開催されているほどです。ただ黒っぽさや不良っぽいムードが皆無なのはブラックミュージック・ファンからすればチト物足りない気がします。
70年代の全日本吹奏楽コンクール課題曲にはこうしたポップス調もいくつかあったそうですが、日本の吹奏楽壇はディスコサウンドと違ってブラスロックのほうはスルーしちゃったみたいですね。
ディスコ・キッドというと、トニー・バロウズが参加したイギリスのグループ ファースト・クラス(First Class)の『ザ・ディスコ・キッド(The Disco Kid)』(1974年)が有名です。これもまたアメリカ以外の国におけるディスコのイメージでありまして、その意味では東海林 修の『ディスコ・キッド』と成り立ちが似ています。

 

追加記事

 MISIA(30)の新曲「銀河」が2日、世界天文年2009のイメージソングに決定し、全国のプラネタリウムで同曲が流される。また、新曲発売イベントで東京・白金台に期間限定の「プラネタリウムBAR」(6日~7月7日)がオープンする。
http://www.zakzak.co.jp/gei/200906/g2009060327.html

アニソン抜きの宇宙物について、そのうちやりましょう。
(2009年6月3日)