アラブの民は「焼きそば」を知ってるだろうか

2008年06月30日、すなわちきょう発売の新商品サンヨー食品株式会社『サッポロ一番 アラビヤンBIG焼そば』。
このキャラクターを見てハッとしたらあなたは結構なお歳です。
この商品の元となったものは即席袋めんの『サッポロ一番 アラビヤン焼そば』で、その発売は1967(昭和42)年。
当時、私もよく食べてました。
そのせいか中学くらいまで「焼きそばは茹でるもの」と思い込んでまして、のちに鉄板で炒める焼きそばや、油で揚げた固焼きそばの存在を知り、「じゃ今まで食ってたアレは何なのだ?」と(笑)

 


私にはもうひとつ勘違いがあって、アラビア人はみなターバンを巻いていると子供心に思い込んでしまった。シンドバッドの映画や漫画を見てもやっぱりターバンの男たちが出てきますから、マァ無理からぬところです。
この件についても、ターバン着用が主としてインドのシーク教徒の習俗であり、日本の「ゲイシャ」のように、少数でありながら民族や国全体の代表的イメージとなっている点を、ずっとあとになって知った次第です。

そんな按配でしたから、米ヘラルドレーベルから1950年代後半に「When You Dance」「Sister Sookey」「B-I-N-G-O」「It Was A Nite Like This」「Valley Of Love」「The Wadda-Do」など多くのスマッシュヒットを放った黒人ドゥーワップ・グループ『ザ・ターバンズ』の写真(上のモノクロ写真がそれ)を見たときも、ファッションだとは分からずに「ブラック・モスレムのご先祖かしらん?」なんて思ったりしたもんです。
そういや一時、湯村輝彦がターバン巻いたワイシャツ男をよく描いてましたっけね。

The Turbans – This Is My Story(1962)

The Turbans – Sister Sooky

The Turbans - A Farewell To Arms(1957)

 

ところで、なぜ「焼きそば」なのにアラビアだったのでしょう。Arabianですからアラビアンのはずなのにアラビヤンとなってるところも不思議です。
おそらくはスパイスを効かせたという部分で、ターバンを巻いた芦屋雁之助や長門裕之が飛び上がる「インド人もビックリ」の特製ヱスビーカレー(1964年)を連想し、戦前の子供向け軍事冒険小説のように現実の距離を超越してしまったのでしょうね。

Hank Snow – My Arabian Baby(1953)

 

ザ・ライド ハワイアン・ビーチ・ストーリー

ザ・ライド
さきほどテレビ東京『バリ・シネ』で
『ザ・ライド ハワイアン・ビーチ・ストーリー』THE RIDE Back to the Soul of Surfing
を見ました。
賞金稼ぎのプロサーファーがサーフィン黎明期のハワイへタイムスリップするという物語です。
初めて見ましたが大変すばらしい、後味のいい作品ですね。男の友情や人種を超えた恋が、わざとらしくなく、淡々と描かれてます。
『ビッグ・ウェンズデー』というサーフィン映画でも男の友情が描かれてましたが、より大きいテーマとしては60年代という時代そのものが中心にありました。
こちらは「サーフィンの魂に戻れ」との副題からも分かるように、サーフィンの心、ハワイの心「アロハ」そのものがテーマとなっています。
計算高く、狡く、生意気な白人青年が、サーフィンを通じてアロハの心に触れ、人間的にも成長していく。そこが嫌らしくなく、ごく自然に、すーっと見る者の心に迫ってきます。
タイムスリップ物の常として、元の時代に戻ってからどのようにつながってくるのかという、最後の見せ場があるのですが、この映画でも用意されてます。