冒険者たち

【SEABREEZE file001 冒険者たち】

冒険者たち Les Aventuriers
製作年:1967年
製作国:フランス

●キャスト(役名)
アラン・ドロン(Manu)
リノ・ヴァンチュラ(Roland)
ジョアンナ・シムカス(Laetitia)
セルジュ・レジアニ(Pilot)

●スタッフ
原作:ジョゼ・ジョヴァンニ
脚色:ロベール・アンリコ、ピエール・ペルグリ、ジョゼ・ジョヴァンニ
監督:ロベール・アンリコ
撮影:ジャン・ボフティ
音楽:フランソワ・ド・ルーベ

昔、『冒険者たち』という素敵な映画があった。若い男女と中年男の夢と挫折、冒険と悲劇をリリシズム溢れる映像で淡々と描いた忘れ難い作品だった。

劇中、ジョアンナ・シムカス扮する前衛芸術家レティシアが青年パイロットのマヌー(アラン・ドロン)にこんなセリフを云う。
「海は私の初恋の相手なの」―――

少女は海を眺めながら育った。その生い立ちは不幸だったが、詳しくは描かれていない。ただそこには先の大戦におけるユダヤ人狩りが不幸の始まりであるかに説明されている。大戦の影はクライマックスの銃撃戦にも及ぶ。アイクス島の要塞城に残されていた銃弾はその当時のものという設定で、戦争の亡霊が古城によみがえったかのようだ。中ほどの宝捜しにしてもコンゴ動乱が招いた悲劇がきっかけであり、ことほどさようにこの映画の背景には戦争というものが見え隠れしている。
そうした不幸を海は癒してくれるのだ。薄倖の少女は海を眺めながら夢を膨らませ、過去を断ち切ろうとする。海によって与えられた夢が消えたとき、彼女の魂がまた海へ還されるのはむしろ必然であろう。

男たちの夢も海によって与えられる。しかしその代償は大きい。悠然と広がる海は愚かしい人間の営為を嗤っているかのようだ。

ラストの後退しながらの俯瞰~鳥瞰は、日本映画の『もず』を思い出させる。パイロットはやはり空へ帰るということか。

(1999年4月29日)

 

追加記事

Les Aventuriers(1967)Bande annonce

Bande annonce=予告篇
(2011年12月1日)