1997年の歳末風景(下)

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 浅草をあとにして“観光地”柴又まで足をのばした。
 帝釈天から、出来たばかりの『寅さん記念館』へ向かう途中に『山本亭』がある。
 写真はその玄関。

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 これも『山本亭』。
 平板トタン葺き、押しぶち下見板張りの懐かしい日本家屋。

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 寺男の“ゲン公”が掃除をしていそうな柴又帝釈天門前。
 奥は鐘楼。大晦日には除夜の鐘が鳴らされる。

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 くたくたになって我が町へ戻る。
 冬の日は短い。5時前だというのにもうこの暗さだ。夜風が身に凍みる。

 自分の星座と同じ名が記されているアンドンの脇をすり抜けて、築30年のぼろアパートにたどり着く。
 ただいま……誰もいない。わびしい独り住まい。
 永井荷風のように人知れず、ある朝、ひっそりと死んでいるのが発見される、てな具合か。

(おわり)

1997年の歳末風景(中)

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 上野アメ横。
 子供の頃はまったく縁が無かった。それが十年前から、年の瀬になるとその雰囲気を味わいたくって、訪れるようになった。
 今年は去年より人が多い。それでもバブル時代のあの混みようには較ぶべくもない。
 手を上に伸ばして撮ったら、斜めに写ってしまった(笑)

 

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 若い衆も思いなしか浮かぬ顔。それにしてもデカいタコ。

 

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 上からじっと目を凝らしていると、ヤミ市時代にタイムスリップしたかのように感じる瞬間がある。
 もちろんそんな時代のアメ横は知らないのだが。

 

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 値札だけ見るとさして安くない。値引き交渉せよということか。

 

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 アメ横から浅草仲見世へ移動。
 古い型のマネキン人形が、ペラペラのいんちきKIMONOを着て、特攻隊のはちまきをしていた。
 5年前に来た時と同じだ。

 

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 浅草寺(せんそうじ)わきの骨董屋。
 コンディションの良い琺瑯(ほうろう)看板。

 

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 浅草寺からフランス座へ通じる路地に「寅さん」の切り抜き人形が。
 浅草にはこの手のものが多いが、実際に顔を入れて撮ってるところにはついに出くわさなかった。

 

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 芸人伝説で知られる『フランス座』。
 再開発されて面白くも何ともない通りになってしまった。

 手前のテンガロンハット、ポンチョ姿のオッサンは、このあと東武浅草駅の前でまた会った。

 

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 花やしき入り口付近に出ていた露店。
 土地柄か、彫り物のカレンダーが目立つ。
 子供のころ紋々しょってる人を銭湯でよく見かけたっけ。

 

(つづく)